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「ママが馬に乗っている姿を見たい」 宮下瞳騎手が名古屋で復帰

  • 2016年08月17日(水) 18時13分
 17日、名古屋競馬場で女性騎手として最多勝利記録を持つ宮下瞳騎手(39歳、名古屋・竹口勝利厩舎所属)が“ママさんジョッキー”として復帰した。

 宮下騎手は1995年に名古屋競馬からデビュー。地方競馬通算626勝、韓国にも遠征し56勝を挙げ、女性騎手最多勝利記録を更新し続けた。2011年に引退し、夫の小山信行騎手(名古屋)との間に2人の男児を授かり、子育てに専念していた。しかし、 長男・優心くん(4歳)の「ママが馬に乗っている姿を見たい」という言葉に励まされ、騎手復帰を果たした。

 復帰初戦は第2レース。家族も見守る中パドックに姿を現すと、開門前から集まった往年のファンから拍手や「瞳ちゃんがんばれ!」といった声援が飛んだ。レースでは、1周目のスタンド奥からスタートすると優心くんの「ママがんばれー!」という声援に応えるかのようにハナを奪って逃げるも、4コーナー手前で後続が追い上げてきて8着でゴール。続く第3レースは3着、第6レースは騎手復帰前に厩務員として担当していたソラニサクハナで4着と、約5年のブランクを感じさせない女王の騎乗を見せた。

 見守った師匠の竹口調教師は「競馬は今日だけじゃない。無事にゴールしてくれれば。これまで約25年、(宮下)瞳を見てきたけど、これまでで一番イキイキした表情をしているね」と笑顔で話した。

 すべての騎乗を終えて宮下騎手は「レース中に復帰した実感が湧いてきました。出遅れこそしませんでしたが、ペース判断が少し鈍っているかなと感じたので、まずは復帰後初勝利を目指してがんばりたいです。別府真衣騎手(高知)に勝利数を迫られていますが、復帰したからには記録を守りたいですね」

 騎手復帰に向け、昨秋から先月まで厩務員として働いた。深夜1時前に起床し、馬の世話や調教騎乗、帰宅してからは家事の合間をぬって筋トレに励むなど何一つ手を抜くことなく復帰への準備を積み重ねてきた。師匠も「一途で完璧主義な子」と称える。

 過去に出産後、騎手を続けたのは牛房由美子元騎手(浦和、通算21勝)のみ。宮下騎手の大きなパワーが、これからの女性騎手に新たな道を切り拓くかもしれない。

 なお、今日の宮下瞳騎手復帰の詳細レポートは、netkeibaにて8月22日(月)に配信予定。

(取材・文:大恵陽子)

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