「
シリウスS・G3」(1日、阪神)
額を走る鮮やかな流星。端正なマスクを引き立たせる
マスクゾロの黄色い
シャドーロールが、小刻みに揺れた。ラ
イバルたちを引き連れ、直線に向くとその背中を追うように、
ピオネロが迫ってくる。意地と意地がぶつかり合うデッドヒート。だが、主導権を握り、レースを支配し続けた
マスクゾロは最後まで先頭を譲らなかった。
「芝スタートでしたから、滑るような感じになって、勢いがつきにくかったのですが、ハナを切ってからは楽に運べました。重賞で接戦になりましたが、何とか頑張ってくれてホッとしています」。首差での3連勝。次への扉を開いた秋山は、こう話して相棒の頑張りをたたえた。
レースレコードで重賞初制覇。チャンピオンズC(12月4日・中京)への道はこれで開けたが、
マスクゾロは左前脚に古傷を抱えている。「前回あたりからようやく
マックスの力を出せるようになった分、負担がかかったようです」。上がりの歩様を確認した岡田師は、笑顔を見せることなく、口元を引き締めた。それでも「何とか中京に向けてやっていきたい」と前を向いた指揮官。覚醒した愛馬を出迎え、桶狭間をしっかりと見据えた。
提供:デイリースポーツ