9月4日から、10月4日までの1カ月間、地方所属騎手としては異例となる、フランス遠征を敢行した
笹川翼騎手(大井・22歳)に直撃インタビュー。現地では、レース騎乗のほか、
小林智厩舎の一員として、
マカヒキ(牡3、
JRA・
友道康夫厩舎)の調教の相手役を務めるなど、様々な経験を積んだ笹川騎手に、帰国後の手応えと、同世代騎手への熱い思いを語ってくれました。
― 帰国して約三週間。もう南関東競馬の感覚は取り戻せましたか?
そうですね、時間の経過とともに、大分取り戻せてきました。成績はまだまだ物足りないですが、焦らずに騎乗していければと思っています。
― 帰国後、周囲からはどういうリアクションがありましたか?
やはり、「あっちの競馬はどうだった?」とか、色々聞かれることが多いですね。ただフランスと南関では、競馬の形が違うので、口で説明するのが難しいです。でも、実際のレースでは、進路の取り方など、前より周囲が見えてきている実感はあるので、言葉はなくても、そのあたりは皆さんも感じてくれているのかな、と思っています。
― フランスで学んだことは、イメージ通りに騎乗に生かせていますか?
自分としては生かせているつもりですが、評価は“他人が見て、どう思うか”だと思っているので。自分は着実に
ステップアップしていくだけですね。
― 具体的にはどういった点を意識して騎乗していますか?
やはり、“折り合い”については向こうで学んだことがとても大きいですね。レースだけではなく、調教においても、“馬をコントロールする”という面はとても大事で、より気を遣って取り組むようになりました。
― また機会があれば海外遠征に行きたいですか?
そうですね。今回はフランスでしたが、アメリカなど、世界各国で競馬は行われていますから。またチャレンジしたいです。
― 中央・地方問わず、反響の大きかった今回の海外遠征。 実際に経験してみて、同年代の騎手にも海外遠征を勧めたいですか?
“僕も行ったんだから行こうよ”、という話ではないですが、若いうちに海外に行って、損をすることはないと思います。中央でいうと、裕紀人(
JRA・
石川裕紀人騎手)とは、以前から仲良くさせてもらってるんですが、そういった話をしたりもします。実は遠征中も連絡を取り合っていて、フランスまで見に来るという話もあったんです。落馬の影響で
ドクターストップが掛かってしまい、実現しなかったんですが…。裕紀人もいつかチャレンジしたいという話はしていたので、今回の遠征が、どんどん同年代の底上げに繋がればいいな、とは思いますね。何より、“僕らの世代でレベルの高い競馬をしたい”という思いが強いので。
― ファンの方々にメッセージをお願いします。
今回、フランスに行って学んだことは、すぐに形に出る訳ではないと思っています。例えば、5年後、10年後、その時に結果がついてきてくれているのだとすれば、間違いなく今回のフランス遠征がきっかけです。どうか長い目で見ていただき、これからも応援して頂けたら嬉しいです!
(取材:編集部)