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リアルスティールに騎乗予定の
ミルコ・デムーロ騎手
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リアルスティールには2週前、1週前と調教に騎乗されていますが?
ミルコ はい、いい馬ですね。1週前の追い切りでは折り合いもつきました。前に馬がいるときはしっかり走りますが、馬がいなくなると気を抜く面もあります。とても賢い馬ですし、力もありますね。
――どのようなレースイメージで騎乗しますか?
ミルコ 難しいですね。枠も大事です。テンションが高くなるとかかる面もあります。久々なのでそのあたりも気にしています。
――ひっかからない、スイッチが入らないようにするイメージはありますか?
ミルコ そうですね。ドバイの時(2016年
ドバイターフ)はスタートから少しひっかかっていたけど、ライアン・ムーアがうまく乗ってリードしていました。そのイメージ、そんな感じが一番いいと思います。
――チャンスだと思っていますか?
ミルコ もちろんです。
――最後にひとこと。
ミルコ 勝ちたいです。初めて乗りますが、ファンの多い馬ですね。頑張ります。
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リアルスティールを管理する
矢作芳人調教師
――今のお気持ちは?
矢作 やれる範囲のことはやれたな、と思っています。
――
毎日王冠を見送っての
天皇賞(秋)となりましたが、そのあたりは?
矢作
毎日王冠の週も一番時計を出していたように、使って走れない状態ではないと思っていました。でも、使った後の反動が怖かったんです。結果、見送ってよかったと思います。
――どのあたりがプラスに出ましたか?
矢作 上昇カーブを描いたまま、ここまでこれたと思っています。
毎日王冠こそ使いませんでしたが、どこが悪かったわけでもなく休むことなく追い切りを重ねられましたんで。1回ごとによくなっていったな、と思います。日曜日に坂路で54秒台を出したのですが、それで大体仕上がったな、と思いました。
――春はドバイGI制覇のあと
安田記念ではこれまでにない11着という惨敗でした。
矢作
安田記念の敗因は完全にはつかめないです。決して悪い状態だとは思わなかったですけれども、確かにレース当日はいつも以上にテンションが高く、イレ込みがきつかったと思います。あのときは競馬当週の追い切りが強くて、それも一因だったと思うので今日は少しソフトに仕上げました。
――その結果、調整はいかがでしたか?
矢作 馬場状態を考えて54秒という指示だったんですが、ひじょうにいい動きだったと思います。上がり重点でよかったと思います。
毎日王冠をやめたのは息づかいが満足にいかなかったからなのですが、その点については完全に良化したと思います。
――東京競馬場や馬場状態については?
矢作
共同通信杯を勝っている馬ですし、何も問題ないと思います。ただ、今回のメンバーは強い。あと、現在の状況の中でやれることはやってきましたが、ベストは
毎日王冠を叩いてここに向かうことだったので。そういう点では次善の策は打てたかな、というような気持ちです。
――秋のプランは?
矢作 具体的には決まっていませんが、香港を有力にして、頭の片隅に
マイルチャンピオンシップがある、というところです。
――日本でのGI勝ちを見たいファンの方も多いのではないでしょうか。
矢作 そうですね。今回は海外でGIを勝っている馬がそろっていますね。
安田記念が恥ずかしい競馬だったので、そんなことがないようにしっかり仕上げてきたつもりです。なんとか日本のファンにいいところを見せたいです。
――最後にひとこと。
矢作 ひじょうにコンスタントに走る大崩れがない馬でしたが
安田記念で大きく負けてしまいました。また元の状態、しっかり走れるような馬に戻したいと思っています。
(取材・写真:花岡貴子)