「
ファルコンS・G3」(18日、中京)
文句なしの勝ちっぷりだ。3番人気の
コウソクストレートが、直線外から力強く伸びて重賞初制覇を果たした。気性難が出世を妨げていたが、陣営の試行錯誤が奏功。さらなる大舞台への期待が膨らんだ。2番人気の
ボンセルヴィーソが2着、6番人気の
メイソンジュニアが3着に入った。
光速の直球がうなりを上げた。ゴール前、先に抜け出した
ボンセルヴィーソ目掛けて、
コウソクストレートが豪脚を繰り出す。外から馬体を重ねて、首差かわしたところがゴール板。名手・戸崎圭に導かれ重賞初タイトルを射抜いた。「よくしのいでくれた。少し掛かるところがあったが、厩舎の方がしっかり仕上げてくれて、すごく乗りやすかった」と鞍上はスタッフにねぎらいの言葉を贈った。
デビュー2連勝を飾って大舞台を期待されたが、京王杯2歳Sは出遅れて4着、
シンザン記念は掛かって14着。気性の幼さが出世を妨げていた。悩んだ中舘師は前走後、試行錯誤を始める。ハミを換えて、舌を縛り、メンコを着用。ゲート練習も丹念に繰り返した。「やっと普通の競馬ができた。調教師みょうりに尽きる」。昨年の
フェアリーS(
ビービーバーレル)以来、二つ目のJRA重賞タイトルに満面の笑みだ。
師は騎手時代、05年に
カズサライン、00年に前身の中スポ賞4歳Sを
ユーワファルコンで、ともに13番人気という大穴で勝利している。「このレースは何回か勝っていて、相性がいいと思ったんですよ」。指揮官にはうっすら戴冠の予感があったようだ。
今回の完勝劇で戦前とは一転、NHKマイルC(5月7日・東京)へ参戦する目も出てきた。「とりあえず一度放牧に出して、じっくり考えます」。よほどうれしかったのだろう。終始、中舘
スマイルが絶えることはなかった。
提供:デイリースポーツ