今週は20日まで競馬開催があった影響で、21日が全休日、22日は全休明けという調教スケジュール。通常なら全休明けは追い切りがほとんどないのだが、25日に中山競馬場でレースを予定している馬などは23日に追い切ることでレースまでの日数が少なくなることを考慮して全休明けでも22日に追い切られている。
天候に関しては、21日夜に雨が降った影響で、22日は各馬場ともに湿った状態。ただ極端に走りにくい馬場状態になったという印象はなかった。
【坂路/4F51.9秒】
22日。一番時計は4F50.6秒の
ユウチェンジ(栗東・
森秀行厩舎)。1F目から12.5秒で飛ばしていき、4F目が13.5秒と失速した。時計が出やすい馬場状態なら、テンから飛ばして、最後まで止まらずに4F49秒台というケースがある。実際にこの馬は49秒台を出しているので、失速したということはそれなりに負荷のかかる馬場だったと考えたい。
前日のトレセンニュースでもお伝えしたように、
高松宮記念(3月26日・中京芝1200m)の出走を予定している
ソルヴェイグ(栗東・
鮫島一歩厩舎)の4F50.9秒、1F11.5秒の時計は素晴らしいの一言に尽きる。
23日。一番時計は
サングラス(栗東・
谷潔厩舎)の4F49.5秒。他にも4F49.9秒の
アルティマブラッド(栗東・
音無秀孝厩舎)がおり、前日に比べると走りやすい馬場状態になっている印象。
高松宮記念の出走を予定している
シュウジ(栗東・
須貝尚介厩舎)は3F目に11.4秒というラップを刻んでいる。
先週の馬場差は「-0.4秒」。22日は前日の雨の影響もあって、ほぼ基準時計と同じような時計の出方。よって馬場差は『0.0秒』で記録した。23日はかなり速い時計も出ており、前日からウッドチップが乾いて走りやすくなったと判断したい。よって馬場差は『-0.2秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
22日。坂路馬場同様、ウッドチップにかなり水分が含まれており、かなり走りにくい状態だったと考えられる。ただ時計だけを見ると、ラスト1F11秒前半といった極端に速い上がりをマークしている馬もいる。これは長めから時計にならないように考慮された馬という場合が多いので、1F時計を見るなら、全体時計を合わせて見ながら評価すべきだろう。
23日。
桜花賞(4月9日・阪神芝1600m)の2週前追い切りを行った
アドマイヤミヤビ(栗東・
友道康夫厩舎)。
アドマイヤキズナが先行して、それを追いかけ、後ろからは厩舎でもトップクラスに攻め駆けする
サラトガスピリットが追いかけてくる流れ。
最後の直線は
アドマイヤキズナが脱落して、
サラトガスピリットとの併せ馬。内から一瞬で追い抜いたサラトガに対して、鞍上が仕掛けて追うと、それに呼応して伸びる形。追って味のあるタイプだけに、一瞬置かれるような流れは不得意だが、追えば追うほど伸びるといった感じ。
時計は6F81.0〜5F65.8〜4F51.5〜3F38.1〜1F11.9秒。数字はもちろん評価できるが、動き自体に無駄な力みがなくなっているだけに、これから追い切りを重ねていくごとにもっと良くなっていきそうな気配を感じる。
先週の馬場差は「-0.5秒」。こちらも坂路馬場同様、22日は雨の影響を考慮して『0.0秒』で馬場差を記録。23日に関しては、ウッドチップが乾いたと判断して『-0.5秒』の馬場差で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は22日が追い切りなく、23日に松田国英厩舎の追い切りを確認した。追い切り頭数を考えると、これで馬場差を検討することは難しいが、あまり走りやすそうな馬場でなく見えたので、馬場差には22日、23日とも『+0.5秒』で記録した。
ポリトラック馬場は22日がほとんど追い切りなし。23日も頭数少ないといった感じ。馬場差は22日、23日とも『-1.0秒』で馬場差を記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)