「NHKマイルC・G1」(7日、東京)
侮るなかれ。
アーリントンC7着で人気急落の
キョウヘイだが、もともとの狙いはこのレース。この中間、ハードトレでメンタルを強化し、本番へ向けて爪を研いできた。2走前の
シンザン記念で重賞初制覇。6着
アルアイン、3着
ペルシアンナイトが
皐月賞でワンツーを決めており、その価値は高まった。ここ一番で豪脚を発揮し、再びファンをあっと言わせるとともに、ダービー出走への賞金も加算してみせる。
全休日明けの2日。宮本師がハツラツとした表情で口を開いた。「きのうも行ってきたで。御金神社。パ
ワースポットやからね」。年頭に“ダービー2頭出し”という目標を京都市にある同神社で絵馬に祈願。御利益に預かった?か、
皐月賞で
クリンチャーが4着に好走し、優先出走権を獲得。願いは半分かなった。あとは
キョウヘイがそれに続けるかどうか。現在、賞金順では
ボーダーライン。「ここで2着まで来て出走を確定したい」と大願成就へ意気込む。
アーリントンC7着後は在厩調整。G1へ向けて、ウイークポイントである“精神面の強化”を図ってきた。「プール調教や長めからのコース追いを交えて鍛え上げてきた。左回りも走らせたが、引っ張りきりで素晴らしい動き。この1カ月半の間に中身の濃い調教ができた」。前走だけで見限るのは早計。トレーナーの熱い口調がそう物語っていた。
2走前の
シンザン記念。8番人気の低評価ながらも、豪快な差し切りVで初タイトルを手にした。そこで負かした3着
ペルシアンナイト、6着
アルアイン、14着
コウソクストレートが次戦で重賞レースを優勝。指揮官は「一緒に走った馬がG1でも活躍したからね。自信を持って臨みたい」と目を輝かせる。
父
リーチザクラウンは、不良馬場で行われた09年のダービー2着馬。G1には手が届かなかったが、種牡馬として産駒に長所を伝えている。「良でも走れるが、道悪ならなおいい。雨乞いしようかな」。再び御利益に預かれば、目指すダービーを前に、G1奪取も夢ではない。
提供:デイリースポーツ