先週(13日)、現役調教師としては新記録となる12週連続勝利を達成したのが角居調教師。2月26日から2か月半以上もの間を毎週、何らかの馬が勝ったというのだからすごい話だが、「彼はこの後もまだまだ記録を伸ばしていくんじゃないか」とさらなる更新を予言するのは中村調教師だ。
中村師といえば、角居調教師に破られるまで11週連続勝利の記録を堀調教師とともに保持していた“元
タイトルホルダー”だけに、なにやら説得力がある。
「先週、角居厩舎が唯一勝ったレース(京都5R
バリオラージュ)は、トモを滑らせていなければ目野さんの馬(
ナムラマル2着)が勝っていたはず。勢いに乗っている時っていうのは、ああいうことがあるものなんだ。ウチの厩舎がずっと勝っていた時も“運が味方したなあ”というレースがいくつもあったから。まだまだ角居厩舎の流れは続くよ」
果たして、その予言通り今週も記録更新なるか、注目である。
記録といえば、4月の中山(
春雷S=
フィドゥーシア)で人知れず
JRA全10場で担当馬が勝ち鞍を挙げる“隠れ記録”を達成したのが松元厩舎の吉田厩務員だ。
「今まで中山だけずっと勝てなくてな。
ビリーヴの
スプリンターズS(2003年
デュランダルの2着)でハナ差負けした悔しい思いがずっと残っていたし、その
ビリーヴの子供で勝てたというのも良かった。何かスカッとしたわ」
何年も勝てない厩務員がいるこの世界で、全10場Vというのも立派な記録。今週はその記録達成を飾らせてもらった
フィドゥーシアが日曜(21日)新潟メーン・韋駄天Sにエントリーしている。
「直線芝1000メートルがいい方に出てくれればいいけどね」と当の吉田さんは期待半分不安半分といった感じだが、新潟といえば、
ビリーヴが02年の
スプリンターズSを快勝したコース。苦手な中山を克服したとあれば、吉田さんの“得意コース”で連勝…は現実味のあるシナリオではないか。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ