「キーンランドC・G3」(27日、札幌)
3歳の暮れに勝った阪神Cで、後ろに続いたのは
イスラボニータ、
フィエロ、
ダンスディレクターなど、古馬の一線級ばかり。そんな
シュウジの4歳シーズンは短距離界の主役を張るはずだった。それが一転、3戦続けて掲示板すら遠く、もがき続けている。
輝きを取り戻すため、陣営はこの中間から手を打った。須貝師が説明する。「行ってパッタリという競馬が続いているから、今度はためる競馬をさせる」。振り返れば重賞初制覇の小倉2歳Sも昨年の阪神Cも、鋭脚生かしての差し切り勝ちだ。脚質転換を遂げるため、厩舎スタッフは工夫を凝らしてきた。
その1=担当者の変更。スタッフの腕を疑ってのことではない。これまでは時計を出さない時も攻め専助手が乗っていた。持ち乗りの山田助手に担当を代えることで、馬房の中から馬場まで一貫してコンタクトを取れるようにした。同助手は「プレッシャーは大きいですけど、意気に感じています」と、復活に導くことを誓う。
その2=角馬場から追い馬場まで常に前に馬を置く。1週前追いも僚馬の後ろで馬場入りから角馬場、Wコースの向正面と、我慢し続けること30分以上。追い切りで見せた脚色は、ためにためた末の素晴らしい切れ味だった。「よう動いた。馬の後ろにつける練習が身になっているね」と師も
ニンマリだ。
最終追いでは昨年2着以来のコンビとなるモレイラが騎乗予定。名手の導きで新たなタイトル獲得といきたい。
提供:デイリースポーツ