今年から「
アイルランドトロフィー」の冠がついた
府中牝馬S。昨年は勝った
クイーンズリングが
エリザベス女王杯でも1着、2着の
シングウィズジョイも当レースに出走していた(7着)。2014年も勝ち馬の
ディアデラマドレが
エリザベス女王杯で3着と、ここ数年は
ステップレースとしての重要性が高くなっている。
1.重賞実績馬の存在感が高まる
GII昇格から昨年まで6年間の連対馬12頭のうち10頭は、すでにそれ以前に重賞を勝った経験があった。勝ち馬に限ると6頭中5頭。2010年までは3年続けて重賞未勝利の馬が勝っていたように、格上がりの馬の活躍が目立ったが、近年は実績で劣る馬には好走の余地が小さくなった。
2.
秋華賞との関連性が高い
昨年の勝ち馬
クイーンズリングは前年の
秋華賞で2着、このレースを3回走って2・2・3着の
スマートレイアーも
秋華賞2着馬。2009年に7番人気でここを勝った
ムードインディゴは、前年の
秋華賞を8番人気で2着と、両レースをともに穴で好走している。コース形態や距離は違うものの、速い上がりの中距離戦ということで、この2レースの関連性は高い。
3.軽量3歳馬にも要注意
同じ週に
秋華賞が行われるため、3歳馬がこのレースに出走することは稀だが、過去10年では2013年の
スイートサルサ、2010年の
スマートシルエットがいずれも3着している。
秋華賞はクラシック登録が必要ないので、賞金が足りていれば出走できる。それをあえて古馬にぶつけてくるのは、意欲の挑戦と考えるべきで、軽量ということもあり侮れない存在だ。
秋華賞と
ドバイターフを制した
ヴィブロスが力量的にも適性面でも一歩リードしている。全姉の
ヴィルシーナや半兄の
シュヴァルグランがそうだったように、じわじわ力をつけて長く活躍し続ける血統。本馬もここまで大事に使われていて、大仕事を成し遂げながら馬はまだ成長の余地を残している。充実の4歳秋を迎えて、これまで以上に進化した走りが期待できる。
2頭出走している3歳馬なら
リエノテソーロ。最近2走はダートで牡馬の壁に跳ね返された形だが、
アネモネSを小差4着、
NHKマイルCでも2着だから、3歳芝マイル路線では間違いなくトップクラスの一頭だ。距離延長は鍵になるが、3歳馬の意欲の挑戦でもあり、注目したい。