マイルCSの前哨戦として、1着馬には優先出走権が与えられる。2011年の
エイシンアポロンと2014年の
ダノンシャークは、
富士Sを
ステップに
マイルCSを勝利しており、かつてに比べ重要度が格段に高まった。
1.瞬発力勝負で軽量馬有利
スピードタイプが翌週の
スワンSに向かうこともあってペースが緩みやすく、最近ではレース上がりの3Fが34秒前後で推移している。スローの瞬発力勝負は斤量が軽い馬に有利になるのが大原則だ。過去10年このレースで最多の4勝を挙げているのが3歳馬で、特に2012年以降は3勝と良績が集中している。
2.中距離からの距離短縮組も互角
昨年は良馬場で決着時計が1分34秒0だったように、この時期のマイル戦にしては時計勝負になりにくい。マイル戦の流れに慣れていることはそれほど重要ではなく、一昨年は
皐月賞以来の臨戦だった
ダノンプラチナが勝利しているし、2014年は
セントライト記念から臨んだ
ステファノスが勝利。中距離のゆったりした流れに慣れた馬でも問題なく勝負になる。
3.なにはともあれ
ディープインパクト このレースに出走した
ディープインパクト産駒の全成績は[3-3-1-5]。半数が連対する驚異的な数字を残している。先々週の
毎日王冠で上位3頭を独占したことからもわかるように、スローのワンターン戦は
ディープインパクト産駒がもっとも得意とする条件である。
注目は
サトノアレス。一昨年の勝ち馬
ダノンプラチナ同様、前年の
朝日杯FSの勝者である。東京マイルでも
ベゴニア賞を完勝していて、マイル戦では2戦2勝。
函館記念の6着は距離を意識して構えすぎたのが敗因で、マイラーとしての評価を割り引く必要はない。3か月の充電期間を挟んで乗り込みも入念。54kgなら充分太刀打ちできるはず。