今週の
菊花賞、
池江泰寿厩舎は
アルアイン、
サトノクロニクル、
サトノアーサーの3頭出しです。この3頭の中でわたしがいちばん注目しているのは
サトノアーサーです。優等生の
アルアインも気になるのですが、
アーサーの場合はどんなレースをしてくれるのか。とにかく気になってしかたありません。
池江師が「課題は距離延長」と話しているとおり、ダービーの走りっぷりを見る限り、
アーサーにとって距離延長は決して歓迎材料ではありません。
それでも、展開のアヤとか作戦次第では
アーサーなら克服してくれるのでは!?と、
アーサーには期待ばかり抱いてしまいます。
その気持ちの源は、やはり2歳時から見せているあの“決め脚”でしょう。その脚を生かしながら、デビュー戦ではゴール前でギリギリ前をいく馬を捕らえる勝負根性の良さを見せてくれましたし、2戦目のシクラメン賞で見せた柔らかい差し脚を披露しました。
その決め脚をさらに自在に使えるよう、道中は折り合いがつくのであればさらに武器は威力を増しますね。
「調教では、
神戸新聞杯の前より折り合いの雰囲気が良くなっていますよ」と担当の田重田助手。粗削りな
アーサーも魅力的なのですが、やはり長丁場を勝つにはレーステクニックも大事ですよね。
そう話しながらも、田重田助手は「でも、とにかく自分の持ち味が生きる競馬をして欲しいです」と
アーサーらしさにこだわりをみせていました。
池江師が追い切り後の共同会見で、僚馬に
皐月賞を勝った
アルアインがいるにもかかわらず「2歳のときから能力を高く評価していました。最後の一冠でファンの皆さんの期待に応えられるような走りをさせたいと思います」と言い切るあたり、やはり
アーサーには一目置いていると察します。
菊花賞は道悪が予想されますが、それでも
アーサーが無事に決め脚を使いつつ、自分の競馬をすることを願うばかりです。
(取材・写真:花岡貴子)