25日、栗東トレーニングセンターの新しい調教スタンドの竣工式、および内覧会が行われた。現在の調教スタンドは昭和44年に栗東トレセンが開場した時から使用されており、老朽化が進んだため新スタンドが建てられた。新スタンドは来週10月31日より使用が開始される。
新スタンドは現在のスタンドの西側に並ぶように建築された。高さは1階多い4階建てとなっている。これまでは3階に日刊紙、専門紙の両方の記者席があったが、新スタンドでは3階が日刊紙、4階が専門紙に割り振られることになった。
これにより、気になるのは調教時計の計測位置の変化だ。調教コースのゴール位置は現在のスタンドの正面に設けられている。新スタンドから時計を計測する位置は以前よりゴール板から離れることになる。現在もコースでの調教タイムは専門紙を中心に時計班と呼ばれる記者たちによって手動で計測されているが、今回の移動は時計計測に影響が出るのだろうか?
複数の時計班に聞いたところ、見解は「美浦や競馬場で調教タイムを測る場合もゴール位置は少し遠いし、問題ない」と一致していた。
しかし、経験30年のベテラン時計班が少し気になることを言った。
「以前よりゴールが遠くなることで、若干速いタイミングで時計をとる記者がいるかもしれない。でも、クセのひとつだし同じ条件で2か所で計測していないから比較ができない。なんとなく、時計が速い計測者がいるな、という程度で流されてしまうと思う」
現在も各社によって計測時計はバラバラだが、そういった“調教時計のクセ”を検討材料にしている方は来週から新たに研究しなおす必要があるだろう。
(取材・写真:花岡貴子)