ミルコ・デムーロ騎手が歴代タイとなるGI年間6勝目を挙げた
マイルCS。大観衆を前に勝利騎手インタビューが行なわれている頃、
ウィナーズサークル脇でひっそりと喜ぶ年配の夫婦がいた。
ジョヴァンニ・デムーロさん(65)と
ラファエラ・デムーロさん(63)。そう、
ミルコ・デムーロ騎手の両親だ。月曜から来日し、息子2人の応援のため京都競馬場に駆け付けたという。
家族が見守る中でGI勝利を挙げられた
ミルコ・デムーロ騎手はこう話した。
「とっても嬉しいです。(両親の来日は)2004年以来で久しぶりでした。ちょうど弟もいたし、会いたかったです」
その2004年の来日時は
皐月賞当日だったというから、
ミルコ・デムーロ騎手が
ダイワメジャーで勝った時。当時は弟のクリスチャン・デムーロ騎手はまだ幼かったという。両親にとって今回は2回目の来日なので、来日時の長男のGI勝率は100%ということになる。
「私たち、ここに残らないといけないわね(笑)」
母ラファエラ・デムーロさんは嬉しそうにイ
タリア語で冗談を言った。そして、報道陣から1年でGI6勝を全て違う馬で果たしたのは史上初だと聞くと、こう答えた。
「すごく嬉しいことだと思うし、騎乗させていただけたことをみなさんに感謝したいです。家族の絆がとても強いので、イ
タリアから遠く離れていることに淋しさは感じますが、彼自身が選んだこと。彼の人生なので応援したいです」
日本で通年免許を取得して2年8カ月。お互いに淋しさは募るだろうが、この間、
ミルコ・デムーロ騎手はお寿司や納豆を好きになり、日本文化にさらに馴染んだ。
「今日は家族のパワーもありました」と流暢な日本語で語った
ミルコ・デムーロ騎手。
9000km以上離れたイ
タリアから応援し続けてくれる両親の愛を胸に、大舞台での快進撃はまだまだ続くだろう。
(取材・文・写真:大恵陽子)