先週の当ニュースでも冷え込みについてはお伝えしたが、今週は全国的な寒さで栗東も例外ではなかった。22日の調教開始前の気温は0℃。Cコースのウッドチップも霜が降りて、うっすら白くなっていた。
23日は調教開始前に雨が降ったこともあり、気温は9℃。前日よりは気温上昇だったが、この時期としては標準的な寒さではないだろうか。人の体調管理も難しい時期だが、これからは馬の体調管理にもかなり気を使うことになりそう。
【坂路/4F51.9秒】
22日。一番時計は
タガノモーサン(栗東・
岡田稲男厩舎)の4F50.1秒。4F50秒台はこの馬しかいない。ただし、4F51秒台の頭数は15頭以上いたので、極端に時計を要する馬場というわけではない。
この日、抜群の動きを見せたのは新馬
ツヅミモン(栗東・
藤岡健一厩舎)。開門してから20分以上経った時間帯だったにもかかわらず、4F53.0秒、1F12.0秒で最後も余力ある動き。母が
桜花賞3着の
カタマチボタンで父が
安田記念を勝った
ストロングリターン。マイル適性の高い血統だけに、デビュー予定の12月9日(土)中山芝1600mでの走りが楽しみ。鞍上は
戸崎圭太騎手が予定されている。
23日。一番時計は予想通りというか、
京阪杯(11月26日・京都芝1200m)の最終追い切りを行った
ネロ(栗東・
森秀行厩舎)。4F49.3秒はこの馬にとってはごく普通の数字。他にも
テラノヴァ(栗東・
須貝尚介厩舎)が4F49.9秒をマークしたことを考えれば、雨が降ったとはいえ、時計が出やすい馬場だった印象もある。
先週の馬場差は「-0.2秒」。22日はウッドチップが乾燥していたのか、先週よりは気持ち時計を要する馬場。よって馬場差は『±0.0秒』で記録している。23日に関しては、適度な雨がクッション性につながったと判断して『-0.2秒』で馬場差を記録している。
【CW/5F66.5秒】
22日。時間帯によって、走りやすいのか走りにくいのか判断するのに苦労するような馬場。ただ1日終わって、全体的な時計の出方も見てみると、やはり時計を出そうと思って前半から速めのラップを刻んでも、簡単に止まるような馬場ではない。
それでも1回目のハロー直前の馬場はどうも止まり気味に思う馬が多かったが、その中で動きが目立ったのは、
チャレンジカップ(12月2日・阪神芝2000m)の出走を予定している
ブレスジャーニー(栗東・
佐々木晶三厩舎)。前走は約1年ぶりのレースで栗東へ転厩して初めてのレース。しかも芝3000mという酷な条件だったが、その後は無事に調整を続けている。
追い切りは併せ馬だったが、重心は前走時よりも低く、スピード乗りが抜群。時計は6F83.2〜5F68.0〜4F53.1〜3F38.9〜1F12.2秒と数字は特筆するほどではないものの、その動きは素晴らしい。今回は適距離だし、ここでどんなレースを見せてくれるか。いよいよ本領発揮といったところだろう。
23日。調教開始前に降った雨の影響で、水分を含むウッドチップだったが、むしろ前日よりは平均的に時計が出やすい馬場という印象。全体が速く、終いもしっかりというタイプが多かったように思う。
先週の馬場差は「-0.6秒」。今週は22日が先週よりも時計を要する馬場という判断で『-0.4秒』。23日は先週よりも走りやすくなった印象すらあるので『-0.7秒』で馬場差を記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は22日が
中内田充正厩舎と
河内洋厩舎が併せ馬で使用。23日は調教開始前の影響もあって、芝馬場で追い切る厩舎が多かったが、雨で緩んだ芝の状態は前日より時計を要していた。よって、今週の馬場差は22日が『±0.0秒』、23日が『+0.5秒』で記録している。
ポリトラック馬場の追い切り頭数は先週よりかなり少なくなって10頭ほど。馬場状態に関しては、いつもとあまり変わらない。馬場差は22日、23日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)