専門紙などの予想で
カツゲキキトキトに◎が並んだ。とはいえ
JRA-IPATで馬券が発売されるようになり、いわゆる“中央ファン”が多く
地方競馬の馬券に参加するようになって、印ほど地方馬は人気にならないということもめずらしくないので、ひょっとすると
カツゲキキトキトは1番人気にならない可能性もあるのでは、とも考えていたが、まったくそんなことはなかった。
中央5頭はいずれも近走成績がイマイチ。加えて
カツゲキキトキトは今回の
JRA勢以上の実績馬相手に好走している。というはっきりとした力関係があった。ゆえに単勝では1.8倍。馬連でも
カツゲキキトキトから相手中央5頭が上位5番目までの人気。馬単でも
カツゲキキトキトの頭が上位3番人気まで。1本被りといってもいい人気だった。
そうした人気であれば中央5頭を敵にまわす形になるのは当然のこと。みずから勝ちにいかねばならず、さらにマークもされる。地元コースとはいえ、そうした状況でのレースは難しかったようだ。
カツゲキキトキトが2着だった
白山大賞典を振り返ると、そこが大きな目標でもなく、5番人気だったこともあって「あわよくば」という、ある意味で気楽に乗れる立場だった。そのときも逃げたのは
クリノスターオーで、やや離れた3番手からの追走。2番手にいた1番人気の
インカンテーションが
クリノスターオーをとらえに行くところを見ながらレースを進めるという立場で、さすがに
インカンテーションには並びかけることができなかったが、直線で
クリノスターオーをとらえた。
今回も逃げたのは
クリノスターオーだったが、今度はみずから負かしにいかなければならない立場。2周目の3コーナーで仕掛けていく正攻法だったが、直後にいた
メイショウスミトモ、そして
トップディーヴォらにとっては、格好の目標となった。
トップディーヴォは
カツゲキキトキトが仕掛けたの見てすぐにとらえにかかり、それを見ていた
メイショウスミトモが4コーナーで外に持ち出し、直線でまとめて差し切った。
カツゲキキトキトにとっては、
クリノスターオーが敵ではないと思えば、2周目の向正面で早めに勝負に出て後続勢との差を広げ、脚を使わせてしまうという手はあったかもしれない。ただ、勝たなければいけない立場を考えると、あまり思い切った競馬をするわけにもいかなかった。来年もまだ5歳。今年4着だった
佐賀記念か、その先再び地元の
名古屋大賞典あたりで期待ということになるだろう。
メイショウスミトモは、
カツゲキキトキトの直後。2周目の1コーナーを回ってペースが上がるまで、ところどころで抑えるのに必死だった。それでも馬が消耗しない程度には我慢できて、それが最後の直線での伸びにつながった。2走前に
シリウスSを勝っているが、11番人気ということもあってフロックと思われた面はあっただろう。今年の着順の数字だけを見るとたしかに印象はよくないが、勝ち馬から1秒以上の差をつけられて負けたのは2度だけ。今回5番人気と人気の盲点になったことで、むしろ相手関係に恵まれたのはこの馬で、そのチャンスを見事に生かした。
実績から
オールブラッシュが2番人気、
クリノスターオーが3番人気(馬連・馬単のオッズでは逆だが)となったが、ともに前走
浦和記念では勝ち馬から大きな差をつけられての敗戦で、そこから調子アップとはならなかった。