定量重量戦で1着賞金は6700万円と、「GII以上GI未満」という位置づけにある。マイル路線とス
プリント路線の一流馬が集結して、毎年豪華な顔ぶれが揃うが、そのわりにはなかなかすんなりとは収まらない。1400mというマイルとス
プリントの中間の距離と施行時期が相まって、一筋縄ではいかない一戦だ。
1.重賞実績は必須
過去10年の勝ち馬のうち、それまで重賞未勝利だったのは2008年の
マルカフェニックスただ一頭。その年はGI級が不在で、
阪神Cとしては例外的にメンバーが薄い年だった。実績馬に有利な定量戦であり、よっぽどの力量がないと既成勢力の壁を突破することは困難だ。
2.ベテランが強い
この時期の他の重賞と違い、3・4歳馬の信頼性がもうひとつである。6歳までは年齢の増加と比例して成績が良くなる傾向が出ていて、高齢馬に優しいレース。ベテラン馬は少し悪い着順が続くと「終わった」と思われて評価を落としがちだが、その判断はこのレースが終わるまで保留する必要がある。
3.関東馬が強い
過去10年で関東馬が7勝していて、2着も7頭(うち1回は2着同着)。出走数では関西馬の半数程度ながら、勝率でも連対率でも圧倒的な成績を収めている。
注目は
イスラボニータ。スタミナが要求されるGIよりも、器用さが活きるGII、GIIIの方が信頼できるタイプで、
阪神Cはそういうタイプに向いたレース。自身も昨年2着しているし、同じ
フジキセキ産駒が過去10年で3勝しているのも同じ理由だろう。実績的には断然と言える存在で、春に
マイラーズCを勝ったように6歳でも大きな衰えは見られない。条件もベストに近く、引退レースだが全力投球の一戦になる。