今週の栗東は3日の調教時間帯には雪が舞うような寒さ。時折、暖かい陽が差すこともあるが、基本的に空気は冷え切っている。4日の調教開始前はうっすらと雪が積もるような感じで、気温は1℃。曇りということもあり、午前中は気温が上がることはなかった。
ウッドチップに関して、乗り手からいろいろと聞かれたが、正直、馬場がさほど重いという印象はない。それでも動きが鈍い馬も多くて、これについて「なぜ」と考えることが多かったが、先週は29日が全休日で、通常よりも休みが1日多い。これが微妙に影響していると思えるだけに、今週の追い切りで機敏な動きを見せている馬は積極的に評価していきたい。
【坂路/4F51.9秒】
3日。今年最初の一番時計は
アイアンヒロイン(栗東・
浜田多実雄厩舎)と
モズスーパーフレア(栗東・
音無秀孝厩舎)の4F50.9秒。4F51秒台の頭数もごく平均的なので、馬場差としてはほぼ基準時計が出る状態といってよい。
4日。一番時計は4F50.6秒の
ヒラボクテイオー(栗東・
大久保龍志厩舎)。二番時計も同厩舎の
ディライトフルで4F50.7秒。2頭は併せ馬ではなく、追い切った時間帯も別。この日の時計ベスト5のうち、4頭が
大久保龍志厩舎という独占ぶり。特に前記2頭は素晴らしい動きを見せていただけに、状態に関してはすこぶる良好といったところ。
先週の馬場差は「+0.1秒」。昨年から今年にかけても雨や雪の影響を受けることはなかったので、馬場状態は安定。よって馬場差は3日、4日とも『±0.0秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
3日。冒頭でも紹介したように、ウッドチップ馬場、特にCコースの時計の出方は判断が難しい。しかし、全休日の関係を考え、動きが重たかった馬、通常よりも時計を要した馬に関しては状態面でひと息という判断をしたい。
そんな中で状態の良さが際立ったのは、
福寿草特別を予定している
カレンシリエージョ(栗東・
鈴木孝志厩舎)。本来は単走の予定だったが、勢い余って、前方にいた同厩舎の併せ馬を追い抜いていってしまう動き。6F80.7秒はもちろん、1F12.1秒の伸びが素晴らしい。休み明けで牡馬相手という厳しい条件ではあるが、それも簡単にクリアできそうなポテンシャルを持っていて、それを発揮できる状態にある。
4日。馬場状態に関しては、前日とほぼ変わらない。機敏な動きを見せる馬もたくさんいて、単走だった
メイソンジュニア(栗東・
渡辺薫彦厩舎)は6F83.0秒と全体時計はさほど速くないが、ゴール前は1F11.8秒で鋭い伸びを見せていた。
シンザン記念の最終追い切りを行った
ツヅミモン(栗東・
藤岡健一厩舎)も素晴らしい動き。
オリエントとの併せ馬だったが、向正面は先行して、4コーナーで外を回った時に相手が最内を突いてきて、最後の直線は追いかける形。しかし、楽々と相手を捕まえると、仕掛けられてしっかりと伸びた。少し変則の併せ馬だったが、6F84.3〜5F67.5〜4F52.1〜3F38.3〜1F11.7秒は決して悪くない。あとは強力メンバーとの力関係だけだろう。
先週の馬場差は「-0.3秒」。全体的な時計の出方を見ると、先週とほとんど変わっていない印象。よって馬場差は3日、4日とも先週と同じ『-0.3秒』で記録することにした。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場での追い切りは確認できなかった。馬場状態に関しては、見た目に全く変わったところはない。よって馬場差は3日、4日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場はほとんど追い切りはない。しかし、
ラディウス(栗東・
高野友和厩舎)が6F76.6秒を馬なりでマークしたように、速い時計を出したい馬にとっては楽に走れるスピード馬場となっている。馬場差は3日、4日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)