GII
日経新春杯(14日=京都芝外2400メートル)で
ロードヴァンドールがやろうとしていることは、大げさに言ってしまえば競馬史を塗り替える“偉業”だ。
ダイワメジャー産駒の1800メートル超の距離における重賞勝利――。歴史の壁を打ち破るための挑戦となる。
2011年の産駒デビューから自身に似た快速馬を多数、出してきた
ダイワメジャー。そのイメージ通り、産駒の
JRA重賞全27勝のうち、大半は1600メートルまでで、1800メートルですら
カレンブラックヒルが制した12年のGII
毎日王冠、15年のGIII
小倉大賞典だけだ。
ちなみに2000メートル以上の重賞での産駒の連対率は昨年まで5・7%という惨憺たるもの。
ダイワメジャー産駒が2000メートル以上の重賞に出てくれば「即消し」としていいくらいだが、
ロードヴァンドール陣営には何やら勝算があるようで…。
「俺はこの馬をいわゆる
ダイワメジャー(産駒)だと思ったことは一度もないからね。そうじゃなければ新馬戦から2000メートルを使っていないよ。ただ、(横山)ノリさんは俺の上を行っていた」とは昆調教師。
トレーナーは
ロードヴァンドールの距離適性を2000メートル前後と捉えていたようだが、前走の
中日新聞杯(3着)で騎乗した横山典は、さらなる距離延長を進言してきたそうだ。
「“3000メートルを使わせてみたい”って。2000メートルでもギアが入り切らないと感じたみたい。長めの距離での持久力勝負が向くと思ったんだろうな。まあ、あの人が言うことは大体、当たるから」(昆調教師)
もちろん、横山典も“神”ではないので、全ての進言が当たるわけではないだろうが、昨年の暮れにも、それまでダートしか走っていなかった
モーニン陣営に対して芝への転戦を進言。その言葉を受けて挑戦したGII
阪神C(6着)では、近走は競馬をやめてばかりいた馬が、上がり33秒7の決め手を発揮して復調の兆しを見せたことに、坂路野郎は驚かされたばかりだ。
果たして今回の“カリスマ”ベテランジョッキーのアド
バイスはどう出るのか…。実に興味深いレースになりそうだ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ