はじめまして、このたびnetkeibaで予想をしていくことになりました鈴木麻優です。これまでバリバリの岩手競馬の現役騎手だった私ですが、先日、現役生活にピリオドを打つことにしました。引退の理由は、背骨が3本つぶれてしまう大きなケガを負ってしまい、騎手として身体を完全に元の状態に戻すのが難しくなったのはもちろん、何より気持ちをまたプロとして立て直すことができないと思ったからです。
突然の引退発表だったので、驚かれた方もたくさんいると思います。最低でも100勝したいと思っていたので正直、やり切った感はないのですが、ここで一区切りをつけて次に進む決意をしました。競馬と馬が好きなので、これからは元騎手としての視点を大切にしながら、評論家として競馬と真摯に向き合っていこうと思っています。まだまだ若輩者ですが、今まで岩手競馬で私を知っていた方もここで初めて知った方も、暖かい目で末永く見守ってもらえるとうれしいです。
そんな私の予想デビューとなるのが、日曜に東京競馬場で行われる第35回フェブラリーSです。ダート馬にしては小柄な馬体ながら根岸Sで58キロを背負い、鋭い末脚でレコードを叩き出したノンコノユメや、スタートでモタついて敗れたものの、終いしっかり伸びてきた川崎記念が印象的だったアウォーディーなど注目馬が多数で、目移りしてしまいます。とくにフェブラリーSの舞台である東京ダート千六はスタートが芝なので、芝での勝利経験があることは有利になるはず。そういう意味でも、今度こそスタートダッシュを決めてくれそうなアウォーディーには注目しています。
差し馬有利な展開ではなかったのにも関わらず、前走のチャンピオンズC を制したゴールドドリームは圧巻の一言。直線の長い東京なら、なおさら持ち味の“切れ”が生きてくるはずです。
それでも、そうしたGI馬の牙城を崩すのはテイエムジンソクだと考えます。前走の東海Sは2着と僅差だったものの、3着とは6馬身差の完勝。軽快な先行力が最大の武器で、7戦連続連対中と近走の安定感はメンバーでも随一です。
一方、ゴールドドリームはこれまで2回連続で好走したことがなく、ゲートの出に不安を抱えています。そういう面を考えれば、テイエムジンソクの初GIタイトル獲得が期待できそうです!(文=鈴木麻優)
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