ひょっとしたら史上初の記録だったのかもしれない。先週は
フェブラリーS=
ノンコノユメを筆頭に、
ダイヤモンドS=
フェイムゲーム、
小倉大賞典=
トリオンフと、土日でセン馬が重賞3勝の固め打ちだ。
日本は香港などと違ってセン馬の頭数は決して多くはない。当然、セン馬の重賞勝ちは少なく、過去10年での年間平均重賞勝ち鞍は「2.7勝」。それをたった1週間で塗り替えてしまったというのだから、“セン馬ブーム”到来と言っても差し支えないのかもしれない。
種牡馬としての可能性がゼロになる去勢手術はリスクを伴うが、これによってサラブレッドに新たな方向性が見えてくるのも事実だ。
「去勢するとホルモン
バランスの関係で筋肉が落ちて、体重が減ってしまいます。そこから新しい筋肉がまたついていくことになる。それまで気性的にうるさい面を見せて調教をやりにくかった馬が、無駄なことをしなくなると、以前とは違った筋肉がつくことにもなるわけです。もちろん、調教がスムーズになれば、それまでは気性的にかかったりして、距離や条件を限定して使っていた馬に、新しい可能性が出てくることにもなります」
“セン馬の可能性”の解説をしてくれたのは松田調教師。最近の具体例として挙がったのは
ロライマで、去勢手術後、すぐには成果が上がらなかったが、「成績が少しずつ安定し、今やオープンまで手が届くような存在になってきた」。要はセン馬にも流れの中での「買い時」があるということだ。
「セン馬は長持ちするという面もあると思いますよ。一般的に言って、馬がおとなしくなれば、それだけ手をかけられることにもなりますからね。この馬もまだまだこれからです」と話してくれたのは、日曜(25日)小倉メイン・
関門橋S(4歳上1600万下、芝1800メートル)に
ブランドベルグを出走させる牧田厩舎の今井助手。“今週の注目セン馬”はこの馬に決まりだ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ