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2月引退・岩元師のスピリット受け継ぐ北出師/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2018年03月02日(金) 18時00分
 1日から栗東で武幸四郎武英智高柳大輔安田翔伍の4人が新規調教師としてキュウ舎を開業した(美浦は田中博康林徹和田勇介の3人)。

 一番の注目はやはり武幸四郎キュウ舎。その初陣はいきなりの土曜阪神1R(3歳未勝利(牝)、ダ1800メートル)のグアン。しかも兄の武豊が騎乗するとあって、トレセンではかなり話題になっている。

 新規調教師がデビューするこの時期になると、坂路野郎がふと思い出すのは、2005年に北出調教師が試験に受かった後に会見で口にした印象深い言葉だ。こういう場では毎回、「目標とする調教師は?」というたぐいの質問が出て、その答えは調教助手時代に世話になった師匠の名前が出るのが通例なのだが…。北出師が挙げた人物は従来のものとは違って、「岩元調教師です」。

 家が近くだったらしいが、岩元師と師弟関係でもなければ、深い交流があったわけでもない。それでも、北出師は尊敬するトレーナーに、先月いっぱいで定年引退した岩元師の名を挙げた。

「なんで岩元先生だったのかって? オペラオーにずっと和田を乗せ続けたでしょ。あれはなかなかできないこと。すごいことだと思って」

 のちに絶対王者として君臨するテイエムオペラオーが1999年の菊花賞で2着に敗れた後、主戦の和田が降板の危機にさらされたことは有名な話だ。それでも岩元師は「俺とオーナーの仲だから」こそできたのだろうが、竹園オーナーを説き伏せて、和田を乗せ続けた。この時の説得があったからこそ、翌年の年間8戦8勝の快記録があったと言ってもいい。

「岩元先生が見せた、ああいう姿勢はこれからも忘れてはいけないと思う。自分自身がそれをできるかといったら…簡単ではないだろうけどね」

 今、北出師は競馬学校の騎手候補生をキュウ舎で預かり、面倒を見ている。

 騎手交代に、よりシビアな時代となった今、岩元師と同じことをするのは極めて困難だが、少なくとも“スピリット”を受け継ぐ調教師がいることに、ちょっぴりホッとする坂路野郎であった。

(栗東の坂路野郎・高岡功)

東京スポーツ

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