弥生賞は結局、10頭立てとなりました。せっかくの
皐月賞トライアルですし、それなりに頭数が揃って良かったです。出走する馬たちにとっても、本番の
皐月賞に向けてある程度紛れのあるレースになったほうがいい経験になるのではないでしょうか。
中山の芝2000mはもともとト
リッキーと評されるコースです。2歳チャンピオンである
ダノンプレミアムを送り出す中内田師もそのあたりを気にしており「(ト
リッキーなコースなので)不安です」とハッキリ話していました。
「親心なのでしょうか。中山は小回りですし、自信より不安のほうが大きいです。でも、このコースを上手にこなして欲しいと期待しています」
中内田師はそうは言うものの、「恥ずかしくない競馬をしてくれると思う」と
ダノンプレミアムを高く評価しています。調教は「時計はあくまでも指標。内容重視」として当週は馬なり程度で調整しています。
「十分動けていましたし、こちらが求めることをきちんとこなしてくれていますよ」
もともと「とても賢い馬」で、自分が今すべきことを理解する能力に長けています。
「1週間前の追い切りを併せ馬にしたのは、気持ちを入れるため。競馬が近いんだよ、ということを馬に気づいてもらうためでした」
そういった人間の意図をきちんと汲み取り、走りで応えていく
ダノンプレミアムは本当に凄い。
弥生賞では馬自身が新しい課題を汲み取り、消化して本番に繋げてくれるのではないでしょうか。結果と同じくらい、その内容に注目しています。
(取材・文:花岡貴子)