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スワーヴリチャードに騎乗予定の
ミルコ・デムーロ騎手
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大阪杯を振り返ってください。
ミルコ 最高ですね。1着。素晴らしいレースだった。スタートがいつもどおり、少し外枠だったから僕もあまり行きたくなかったです。
有馬記念みたいに外を回ったら嫌だと思っていました。展開はすごく良かったですね。向こう正面はペースが遅すぎるのでちょっと早めに出しました。
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アルゼンチン共和国杯から騎乗していますが、変化は?
ミルコ すごいです。どんどん良くなっているし、成長して大人になっています。
有馬記念だけちょっと残念でしたが、枠順も良くなかったし3歳でしたからね。
――今朝の追い切りに騎乗されましたが、指示は?
ミルコ いつも最後の追い切りは単走でやってます。馬なりです。素晴らしい追い切りでした。変わらない。バッチリの状態です。体が柔らかいし、落ち着いています。すごくいい感じです。
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大阪杯の状態と比べて、いかがでしょうか?
ミルコ 一緒。変わらないです。
――今回は初めてのマイルです。レースプランは?
ミルコ 先月からちょっとゲート練習をしていました。ゲートの中ではあまり駐立(静かに待つこと)はしていないですね。スタートはいい時と悪い時があります。それをちょっと心配してます。普通だったら1600でも問題ないと思います。
――この馬の長所は?
ミルコ 素晴らしい馬。能力がすごく高い。なんでもできる。
アルゼンチン共和国杯から乗っていますが、あのレースではスタミナがたくさんあるように感じました。
大阪杯ではスタミナを、中京(の
金鯱賞)では瞬発力を感じました。いろんな競走ができますね。素晴らしい。
――最後にひとこと。
ミルコ 今回はすごく一杯いい馬が出ていますね。もっとテンションが上がります。もっと楽しみ。ホントに勝ちたいですね。頑張ります。
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スワーヴリチャードを管理する
庄野靖志調教師
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大阪杯を振り返ってください。
庄野 ゲートは相変わらず速くはなかったんですが、1〜2コーナーでのペースもそんなに速くはなかったのでジョッキーの判断で3コーナーまで一気に上がっていきました。そこからも折り合いはついていましたし、ゴールまでしっかり粘れたように馬の能力を十分発揮できたレースだと思います。
――その後の調整はいかがでしたか?
庄野 特に調教は変えていません。マイル仕様という意識はしていません。今回に限ってはゲートも少し出ていって欲しいところなのでゲート練習はしていますけれども、調教については特に変えたところはないです。
――調教は1週前追い切りをCWで行いました。
庄野 いつもどおり、前に目標を置いて長めから時計を出していきました。1週前なので時計もしっかり出していきたかったですし、最後までほぼ一杯くらいの追い切りは出来たと思います。
――今朝の最終追い切りはいかがでしたか?
庄野 ジョッキーには時計はあまり気にしなくていいよ、と言ってありました。終いの反応だけしっかりと確かめて欲しいと伝えました。全体としては思ったより速い時計になりましたけれども、すごく手足も軽くて体もしっかり伸びていていい走りだと思います。
――ミルコ騎手は何か言っていましたか?
庄野 ここまでしっかり調教を重ねてきて、馬に硬さもないですし息の入りもすごく良かったと言っていました。今日の追い切りに関してもジョッキーは満足だと言っていました。
――3歳時と比べて変わってきたところは?
庄野 ダービーから1年過ぎましたが、その間に精神的にはオンオフがつくようになり古馬らしくなってきましたね。馬体面では背も伸びて体がドッシリしてきたなという感じがしますね。
――心身ともに充実してきたと?
庄野 そうですね。3歳のころの子供っぽさは抜けて古馬のいい男になったと思いますね。
――この馬もこれまでのレースぶりから東京マイルで走るイメージは?
庄野 今までのレースからみても東京の広いコースはこの馬にあっていると思います。ただ、今回に関してはマイルというのは初めて。GIですからスペシャリストが揃っていますので、そう簡単にはいかないなとは思っています。いままで1800以上使ってきたので、前半のペースに戸惑わなければいいな、と思いますけれども。
――現時点でのこの馬の良さは?
庄野 やはりスピードの絶対値、そしてそのスピードを維持できる心肺能力はかなり高いレベルのものだと思っています。前走を見ても後半はかなりの
ハイラップを刻みながらも最後までしっかり頑張れたように、この馬の持ち味はスピードとそれを長く生かせるところかなと思っています。
――
宝塚記念の中間発表でファン投票1位でした。出走の予定は?
庄野 うーん、そうですね。
宝塚記念で中間発表ですがファン投票1位というのは名誉なことですし、すごくありがたいです。でも、それに関しては今週のレースが終わってからオーナーと相談したいですし、まだ出走するかしないか決めていません。
――最後にひとこと。
庄野 おかげさまで前回、
大阪杯でGIというタイトルを獲らせていただきました。今回、初めてGIでマイルという距離を走りますが、まだまだこの馬の可能性というのはいろんなところにあると思いますし、その可能性を開花するために僕たちは(日々の調教を)やっていますのでね。今回もいいレースを期待しています。
(取材・文:花岡貴子)