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陣営が早くもダービーを意識する ホウオウライジン/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2018年06月13日(水) 18時30分
 ディープインパクト産駒のサクソンウォリアーが1番人気に支持され、グリーンチャンネルでの放映まであった今年の英ダービー。映像を見たファンも多いと思うが、残念ながら勝ったのはサクソンウォリアーではなく、ゴドルフィンのマサーだった。

 注目すべきはその血統。父にニューアプローチを持つマサーのポイントは名牝アーバンシー(凱旋門賞馬で、シーザスターズ、ガリレオの母でもある)の3×4というインブリードを持っていること。年に200頭前後の産駒を送り出せる種牡馬ならともかく、年に1頭しか産むことのできない繁殖牝馬のインブリードは、極めて貴重で価値も高いとされている。やはり競馬は血統、それも母系が重要と改めて認識させられた一戦だった。

 一方、英ダービーほどの注目は集めなかったスタディオブマンだが、こちらはディープインパクト産駒初の仏ダービー制覇を達成。「ディープインパクト産駒エプソムの2400メートルは厳しいと思う。場所がシャンティイで距離が2100メートルという条件も良かったと思う」という池江調教師の意見には素直に同調する半面、スタディオブマンの祖母がミエスク(GIを10勝した名牝で、大種牡馬キングマンボの母)なのは、別の視点で注目すべきだと感じた。

 ディープインパクト産駒らしい切れで勝ち切ったのではなく、抜け出してから辛抱しきった内容は母系が影響している? ディープ産駒に無名の母系はありえないが、競馬記者がより勉強すべきは、種牡馬よりも、繁殖牝馬のほう、とより意識を高められた次第だ。

 緑に白のゼッケン「410」。キュウ舎周りを歩くたたずまいがあまりに素晴らしかったので、思わず「その馬、何ですか?」とキュウ務員さんに声をかけてしまった。

ホウオウライジン(牡・矢作)

 昨年のセレクトセールで1億8000万円の高値で落札されており、その場にいた記者も馬を見ているはずなのだが、恥ずかしいことに記憶が抜け落ちている。なので馬を引いていた渋田キュウ務員から「キンカメ産駒。2億円近い金額の馬ですよ」と言われてもピンとこなかった。

 ホウオウライジン母ガールオンファイアは未出走ながら、祖母レディブロンドは6戦5勝でスプリンターズS4着が唯一の敗戦という名牝。さらに注目すべきはその先にいるウインドインハーヘア。そう、ディープインパクトにもつながる血統の持ち主だったのだ。

「すごく素軽い走りをするし、これが走らなかったら困っちゃうよ。今は460キロ。今年のダービー馬(ワグネリアン)も大きい馬ではなかったよね? 脚元への負担を考えると、これくらいのサイズのほうがいい。2歳馬らしい緩さはあるけど、1年間でじっくりと成長してくれれば」

「ダービー馬」という言葉が口から出てしまうのは期待の大きさの表れ? デビューは素質馬が揃うとされる阪神最終日(24日)の芝外1800メートル、もしくは中京初日(30日)の芝1600メートル新馬戦。初っぱなから、血統の確かさを証明してほしい。

(松浪大樹)

東京スポーツ

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