骨折休養明け3戦目となる
ゼーヴィント(牡5・美浦・
木村哲也)がウッドチップコースで併せ馬の追い切りを消化した。管理する木村調教師が共同記者会見に応じた。
(3頭併せの最内での今朝の追い切りについて)
「何とか良い頃の動きに持っていきたい、
トップギアに入るのか入らないのかというようなところを主眼にやりました」
(ゴールを過ぎた後も騎乗者は追っていたが?)
「その辺は細かく指示しているわけではないので、乗り手のその瞬間の感触というか、その場その場の状況判断がそういうアクションになったのだろうと思っています」
(1週前もかなり長めにしっかり乗られていたようだが?)
「細かく言いますと1週前は追ってはいなくて、日本語としては『長めにしっかり乗られた』というのが当てはまるかなと思っています」
(追い切りを終えて良い頃の感じになってきた?)
「今年に入って2回使わせてもらって、それこそ去年の今頃
七夕賞(GIII)を勝たせてもらっているのですけど、その辺の動きにようやく戻ってきたとは考えています」
(怪我から復帰しての2戦、まずある程度前につけて6着の
日経賞の評価は?)
「繰り返しになってしまうのですけど、レース自体というよりも普段の厩舎の状態からパッとしないようなところがあって、なかなか体の中身がついてこなくて、それがレースでも出てなかなか歯がゆい感じでした」
(そういった意味では骨折は何らかの影響がある?)
「馬は話ができないですし、前走でも痛い部分をまだ抱えていて変わってこないのかどうなのかということを感じているところですね」
(次の
目黒記念の評価は?)
「終わってみればやっぱりなと。悪い意味でのやっぱりなという感じで、どうしても良い頃の状態に持っていっていない、こんなはずじゃないという中で、それでも重賞を勝たせてもらっている馬で能力はありますし、その辺で一縷の望みをかけて出しているようなところもあるのですけど、やはり現実は甘くないですね。周囲や当然オーナーサイドにも迷惑かけているなと思っています」
(ここ2戦、そしてここまで追い切りを重ねて良い頃の感じに戻ってきた?)
「少なくとも変化してきたというとらえ方をしています。それが実際日曜日にどういうパフォーマンスで表現されるかはわからないですけど、仕草だったり、今日の追い切りもそうなんですけど、変化してきているという感触は持っています」
(いよいよ
ゼーヴィントとGI初挑戦となるが?)
「馬はいつも目一杯走ってくれますし、3歳で重賞(
ラジオNIKKEI賞・GIII)に勝たせてもらっているのですけど、なかなかタイミングが合わずに大舞台に持っていけませんでした。彼の本来持っているものからすれば、こういうレースに参加しても恥ずかしい馬ではないと思っていますし、何とかしたいとは思っています」
(距離の2200mに関しては?)
「細かいことはよくわからないですが、素直でそんなに難しい馬ではないですし、前回も距離が長かったからダメだとも思っていないですし、今回も距離を短縮することに不安要素はないですね」
(初めての関西への輸送は?)
「やってみないとわからないというのが正直なところで、こういう部分があるから大丈夫、こういう部分があるから不安というような明確な要素は持ち合わせていません。福島に輸送して結果が出ているから大丈夫だという見方もできますし、中山に行くのに当日1時間半馬運車に乗っただけで結構体重を減らす時もあったりもするので、それは馬に聞いてみてください(笑)」
(今回騎乗する池添騎手とは何か話はしている?)
「これから話をするつもりでおりますし、池添さん自身も追い切りに乗せてほしいと熱心に言ってくださったのですけど、厩舎サイドでいろいろ修正しているところもあるものですから、その流れを崩したくなかったので、追い切りはこちらでやらせてもらいました。これから改めて私の方から調教の経過などを報告してコミュニケーションを取りたいと思っていますけど、いずれにしても頼もしいパートナーを得られたなという気持ちには変わりないです」
(師にとって楽しみを持っての一戦?)
「楽しまなければいけないですけど、GIで注目されるのでしんどいです(笑)」
(渋った馬場になった場合は?)
「やってみなければわからないですね。かと言って、渋った馬場だからどうしようもなくなるということは、経験的にはないと思っています」
(枠順の希望は?)
「あまりないです。枠順や芝の状態も含めて当日のその時までわからないところがありますし、先日も8枠の馬がダービーに勝っていますので、何があるかわからないと思っています」
(取材・文:佐々木祥恵)