「
宝塚記念・G1」(24日、阪神)
菊花賞馬の反撃だ。20日朝一番の栗東CWに姿を現した
キセキは、単走で5F65秒0-38秒6-12秒3をマーク。一杯に追われたラストも迫力あるフットワークで駆け抜け、仕上がりの良さを示した。角居師は「まず落ち着いているかの確認。休み明けなので、最後は追ってしっかりとつくりました」と追い切りの意図を説明する。
香港ヴァーズ、
日経賞でともに9着。
菊花賞馬になってからの2戦は大敗している。特に前走は途中から一気にハナに立つという、これまでにない競馬で自滅する格好となった。「馬の後ろで我慢ができなくなった。人との約束が壊れた」とトレーナーは振り返る。
「気持ちを切り替える意味で放牧へ」。いったん
リセットして栗東に帰厩後は坂路、芝、CWとコースに変化を与え、全て馬のリズムを重視した単走で仕上げた。「約束事の構築、確認を」と馬と乗り手が意思疎通できるように工夫を施し、「取りあえず、折り合いはつきそう」と実戦で効果が出ることを期待する。
成長も見られる。「
菊花賞の時は3歳の体だったけど、今は古馬の貫禄が出てきた」とうなずく指揮官。「高い能力を持っていると感じるし、ここでいい競馬を。立て直してベストを尽くしたので」。勝てば、登録している
凱旋門賞・仏G1(10月7日・パリロンシャン)挑戦に前進する大一番。新たな勲章を手にし、世界への扉を開く。
提供:デイリースポーツ