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今年はひと味違う「札幌の池江厩舎」クラージュゲリエ勝負モードだ/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2018年07月26日(木) 18時00分
 何事もセオリー通りに運ばないのが世の常だ。夏の北海道=涼しい。こんな概念が覆されたのは3年前。沖縄33.8度に対し帯広で37.1度を記録するなど、全国で一番暑い場所が北の大地という逆転現象が発生した。鉄道のレールは曲がり運行停止に陥るなど、15年の札幌は予想外の酷暑との戦いでもあったのだ。ゆえに全国的猛暑が続く今年は、相当の覚悟を持って宴会野郎もクーラーなしの札幌に乗り込んだのだが…。

 涼しい…いや、むしろ寒いくらいだ。おそらくジャンパーなしで朝の取材をすれば風邪をひくであろう。これが取材初日(24日)の実感だ。

「来る前は準備が面倒で正直“行きたくない”と思ってたんですけどね。気候を体感した今は、むしろ“しばらく帰りたくない”です(笑)」とは、当方と同じく先週まで美浦で過ごしていた本間キュウ舎・鈴木洋介キュウ務員。彼の言葉通り、本州とは季節ひとつ違う感覚だ。一口に夏競馬といってもこれだけ気候的ストレスが違えば、秋以降に北海道在キュウ馬にアドバンテージが生まれる可能性は十分。そう予感せずにはいられない。

 さて、そんな環境の差を察してか、今年明らかに馬房の活用法を変えてきたのが西の大御所・池江泰寿キュウ舎だ。昨年は良血新馬が続々入キュウしながらも、札幌デビュー馬はゼロ。2歳馬のゲート試験合格にのみ馬房を割いたのが実情で、勝負モードとはかけ離れた成績(10戦0勝、2着1回)で夏の札幌開催を終えたが、今年は開幕週の土曜メイン・TVh賞プロフェットを出走させるにとどまらず期待の2歳新馬をスタンバイ。“マジックマン”モレイラを鞍上に予定するプロフェットの半弟クラージュゲリエである。

「新馬にありがちなフワフワした感じがなく、まるで古馬のように自分から走ろうという気持ちが満々。やや硬めですが、抑えも利くし最後までしっかり伸びる。札幌で新馬勝ちした兄に似て前向きで、いかにも即戦力といった感じです」

 期待十分に伝えるのは例年、札幌で取材対応してくれる川合達彦助手。昨年と異なる布陣のせいか、語る表情までがイキイキしている。

「出脚は速くないけど二の脚はかなりのもので、十分にリカバーが利く。カイバもしっかり食べて攻められているからかなり楽しみ」

 札幌入キュウ馬は25日現在で360頭強と、昨年に比べてかなり少なめだが…。西の大御所キュウ舎の意気込みを見るにつれ、昨年以上に活気ある競馬シーンを期待せずにいられない宴会野郎である。

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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