1着馬に秋の天皇賞の優先出走権が与えられる第69回毎日王冠(GII・東京芝1800m)に美浦から出走する注目馬について、関係者のコメント。

■ステルヴィオ(牡3・美浦・木村哲也)について、木村調教師。

「今週(10/3)は先週のように叩いて動かすような追い切りにはしたくなかったので、3頭併せで追い切りました。しいて言えば3番手の馬がもう少し押し上げられればと思いましたが、先週追い切って1週たった今週は良くなってきたと思います。休み明けですし、トップコンディションではないですけど、悲観する状態ではありません。

　ピリッとした気性なので、余分な肉がついてボテッとした体での出走ということにはならないと思います」

■アエロリット(牝4・美浦・菊沢隆徳)について、菊沢調教師。

「前走の安田記念(GI・2着)は男馬の一線級相手の中で頑張ってくれました。負けはしましたが良いレースでした。前走後はノーザンファーム天栄に放牧に出て充電しました。秋に向けて9月初めに帰厩しましたが、ここまで順調に調整をしています。今週(10/3)は左ターンの坂路でメリハリをつけた追い切りをしましたが、非常に力強い動きでした。

　運動場や厩舎ではのんびりとしていますし、賢いですね。春と比べると馬体もボリュームアップしてきました。春先もそうだったのですが、ゲート入り前に遠くを見て、たそがれているようなところがありましたし、気負わず集中するような感じになってきました。あくまで流れ次第だと思いますが、スムーズな走りができれば1800mもこなせるでしょう。

　開幕週で馬場状態も良いでしょうし、速い時計にも対応できると思います。あとは天気が心配ですね。春は惜しい競馬が続きましたが、さらにパワーアップした姿をお見せできればと思います」

■ダイワキャグニー(牡4・美浦・菊沢隆徳)について、菊沢調教師。

「前走(エプソムC・GIII・14着)は雨で馬場も悪く存分に力を発揮できませんでしたし、皆さんの支持に応えられず申し訳なく思っています。結果に影響しているのかわからないですが、この馬にしては装鞍所やパドックで大人しかったですし、返し馬では少し気合いが足りませんでした。2走前(メイS・OP・1着)で一生懸命走っていたので、目に見えない疲れがあったのかなど探りましたが、原因ははっきりしていません。

　夏場は消耗するので、宮城県の山元トレセンに放牧に出しました。こちらに戻ってきてからは、追うごとに良くなっています。ウッドチップコースではあまり良い動きはしない馬ですが、直線では集中して駆け抜けられるような調教をしました。自分が乗ったのですが、あまり集中して走ってはいませんでした。ただ調教では元々良い動きをしませんし、先々週、先週とウッドチップコースで長めからやって十分負荷をかけていますので、心臓や内臓はできていると思います。

　乗った感じでは春先に比べると弾力が変わってきましたし、ズルさが出てきましたが精神面では大人になってきています。東京1800mが得意なので、あとは良い馬場状態で走らせたいですね」

■サンマルティン(セン6・美浦・国枝栄)について、国枝調教師。

「今週(10/3)は単走で追い切りました。気の良いタイプでガンガン行くタイプですが、ここまで順調に来られたと思います。あとは状態面がもう少し上がってくれれば良いですね。最近キャンターにおろす時に反抗するような面を見せますが、本質的には真面目でヤル気満々の馬なので、レースでは特に問題ないでしょう。

　コントロールが難しいところがありますので、制御力が強いスリーリングというハミを使っていて、ジョッキーも乗りやすくなっていると言っていました。ただ反抗的な面を見せるのもハミの影響があるかもしれないので、そのあたりの加減が微妙ですが、競馬では大丈夫でしょう」

■レアリスタ(牡6・美浦・堀宣行)について、森調教助手。

「前走の新潟記念(GIII・12着)後は在厩で調整をしてきました。レースを使うとトモに疲れが出る馬なのですが、そのあたりも順調に回復してきて、今は普段の競馬前のような調整ができています。今回はGIIでメンバーが強くなりますが、状態は良いですし、得意の東京コースで期待しています」

(取材・文：佐々木祥恵)