ダート路線における牝馬の目標レースとして創設されて今年で8回目。ダートでは芝以上に牡牝の能力差が大きいので、上級馬が牡馬に挑戦することは稀である。必然的に牝馬のダート路線は出走メンバーが固定されがちだ。
にもかかわらず、昨年は単勝180円の
ホワイトフーガが11着、2015年は単勝130円の
サンビスタが2着、2014年は単勝140円の
ワイルドフラッパーが3着と、断然の人気馬が敗れている。牝馬重賞ならではの難しさがあるレースと言えるだろう。
1.
レディスプレリュードからの連勝は難しい
牝馬は回復力が牡馬より劣るので、間隔が詰まる前哨戦では、消耗せずにレースを終えることが結果以上に重要になる。一昨年の
レディスプレリュード勝ち馬の
タマノブリュネットは本番で4着、2015年は
レディスプレリュード完勝の
サンビスタが本番で2着、2014年も同様に
レディスプレリュードを勝った
ワイルドフラッパーが本番では3着に終わった。過去7回の勝ち馬はすべて
レディスプレリュードからの臨戦だったが、近4年はそこでの着順がそれぞれ2、3、2、4着だった。
2.牡馬混合戦の経験が活きる
昨年4番人気で2着した
プリンシアコメータは、それまでずっと牡馬相手の条件戦に使われていて、前走は準オープンの
赤富士S(4着)だった。一昨年2着の
レッツゴードンキも芝の
スプリンターズSからの参戦だったし、2015、16年と当レースを連覇した
ホワイトフーガは
端午Sの勝ち馬で、
フェブラリーS、
さきたま杯に挑戦するなどして、牡馬の強豪を相手に経験を積んでいた。
3.京都ダート1800mはスピードが必要
京都ダート1800mでは毎年この時期に
みやこSが行われているが、昨年の勝ち馬
テイエムジンソクは前走の
エルムSでレコード決着の2着としていたし、2着の
ルールソヴァールは前走でマイルの準オープンを勝っていた。一昨年2着の
グレンツェントは
ユニコーンS3着でマイルの青竜S勝ち、2015年の勝ち馬
ロワジャルダンはその夏に1700mを2連勝していた。近い時期により短い距離のスピード競馬を経験したことが、京都のスピード競馬に対応する上でプラスに働いたと考えられる。
アンジュデジールは3歳で挑んだ昨年の当レースは5着に終わったが、古馬になって力をつけて、
エンプレス杯、
マリーンCを連勝。前々走の
エルムSは、重馬場のスピード決着で5着に踏ん張った。牡馬の一線級相手に挑んだ経験は今走に活きるはずだ。前走は出遅れが響いて4着と凡走したが、他馬より1kg重い斤量を背負っていたし、あくまで前哨戦に徹した結果であって、評価を落とす必要はない。