ダートの短距離競走としては国内で唯一のJpnIレース。1着賞金も7000万円と高くなく、勝ち馬が種牡馬として評価されることも稀だ。そういった環境から、スピード馬であってもマイルや中距離にチャレンジしていく傾向が強い。その結果として、必然的にこのカテゴリーは限られたスペシャリストたちの争いになる。
1.
東京盃組中心
過去10年のうち1400mで行われた5回を除く、1000mか1200mで行われた5回で、連対馬10頭のうち
東京盃以外を
ステップにしていたのは、昨年2着の
コパノリッキーだけ。スタートからガンガン飛ばしていくダートの短距離戦は、マイルや中距離とは異質のカテゴリーだ。
東京盃は数少ないダート1200mの重賞競走であり、レベルの高さは他とは一線を画する。中央開催の今年も
東京盃組中心なのは同様と見る。
2.ス
プリント路線は鮮度が重要
昨年の勝ち馬
ニシケンモノノフは6歳馬だったが、1年以内にダート重賞を2勝していた。一昨年の
ダノンレジェンドも1年以内に重賞3勝、2015年の
コーリンベリーもオープン、重賞を3勝。ス
プリント戦はひとつのミスや気の緩みが致命傷になりかねない条件だから、集中力や競走意欲がなによりも重要になる。上位には来るものの長く勝ち星から遠ざかっている、というタイプは割り引いて考えたい。
3.上級条件ほど逃げ切りは困難
直線に坂がない京都は阪神以上に逃げ馬有利というイメージがあるかもしれないが、それはおもに下級条件のことである。一昨年以降の集計で、逃げ馬の勝率は500万条件が31.5%、1000万条件が17.9%、準オープンが14.3%、オープン特別が9.1%。普段は重賞が組まれていないので最上級条件がオープン特別になるが、そこでさえ逃げ馬は苦戦を強いられている。
キタサンミカヅキは昨年夏に南関東に移籍以降11戦5勝。1200mにかぎれば6戦4勝で、交流重賞でも[2-2-0-1]と、中央馬を相手にしても互角に戦えている。以前見られた揉まれ弱さが影を潜め、馬込みで競馬ができるようになったことが躍進につながっている。もともと中央でもオープン特別勝ちのある素質馬が、精神面の成長で本物になった。昨年の当レースも5着とはいえ着差はわずか0.1秒。絶好調で臨む今回は昨年以上の結果を期待できる。