■オメガパフュームを管理する安田翔伍調教師

――シリウスSを振り返ってください。
安田翔　前々走のジャパンダートダービーを含めてそれ以前に学習したことを発揮できました。それから、また新たにそれまでは経験していない馬群の中での競馬で結果を出せたという点で収穫のあったレースだと思います。

――中間の気配は？
安田翔　レース後はこっちが思っていたより体力を消化しきれなかった部分があり、レース後の落ち着き度合いがこちらが求めるより少し興奮していましたので、そのまま在厩してこのレースを目指すことになると気持ちを宥める調整になりかねないので、2週間ほどグリーンウッドさんに移動させていただきました。そして、気持ちのリセットをする意味で栗東へ移動させました。

――レースに向けての追い切りは坂路で行われました。
安田翔　先週末の追い切りの時点である程度、馬の体のほうは仕上がっていました。気持ちの面も競馬に向けて集中力が高まっている印象がありました。今日の調教は全体の時計はある程度やって負荷をかけつつも、メリハリをきかせすぎて馬がエキサイトし過ぎないようにという目的で仕上げましたが、予定どおりの調教ができました。

――今度の舞台は京都コース。新馬以来ですね。
安田翔　本当に従順な馬ですので、新しい条件もいままでしっかりクリアできています。京都コースは新馬以来となりますが、どの競馬場でやるにしてもしっかり能力を発揮できる馬ですので、京都競馬場というのは全然心配していません。

――前走は和田騎手とのコンビでした。印象は？
安田翔　レース前はこちらの馬に対する印象を伝えました。和田ジョッキーのほうからもこういう競馬はどうかという考えをいただき、それらは一致していました。そういう意味でそのとおりの競馬ができました。引き続き、相談してこの馬の良さを引き出す作戦をしっかり立てたいと思います。

――夏を超えて成長した部分は？
安田翔　馬体面では体重も大きく変わることもなく見た目には変わらないのですが、競馬場に行ったときの落ち着きが出てきましたし、以前にはなかった自分の気持ちをコントロールできる面が出てくるようになりました。そういう意味では精神的な成長がうかがえます。

　坂路でもコースでも、もともと(速い)時計が出るほうではなかったのですが、今では水準の時計は出るようになりました。こちらが見る以上に腱や靭帯が成長していることで以前より動けるようになっているのかな、と思っています。

――最後に意気込みを。
安田翔　JBCが初めて中央の競馬場で開催されるということで、その中でもクラシックを盛り上げることができる1頭になるように、当日までしっかり管理して出走させるように努めてまいります。JBCを盛り上げて頂けるようよろしくお願いいたします。

(取材・文：花岡貴子)