今年の
フェブラリーS(GI)の覇者
ノンコノユメ(セン6・美浦・
加藤征弘)に騎乗する
内田博幸騎手と管理する加藤調教師が、共同記者会見に臨んだ。
■内田騎手
(今朝の追い切りについて)
「追い切りに乗った人に聞いたらいつも通りの内容だったと。調教駆けする馬ではないですし、いつも通りの方が良いですね。逆に動きが良過ぎてしまうと、そこでレースをしてしまったのかなという感じになっちゃうので、いつも通りで良かったなと思います」
(先週追い切りに乗った時は?)
「先週乗って中間も乗ったのですが、調教は元々動く馬ではないですし、内容的にはそんなに悪くはなかったですね。併せ馬の形になったりすると耳を絞ったり、スピードを緩めたりすることもあったのですけど、そういうところもなくスムーズな追い切りができたのは良かったのではないかと。いつも通りの形でいってくれているなという感じがします」
(前走の
南部杯・JpnI・4着を振り返って)
「前回は馬もテンションが上がっていまして、なかなか落ち着きませんでした。なるべく落ち着けようとしましたが、ゲートに入った時も馬自身が緊張していたので、なかなか治まらず、そこで怒ったり、人間の指示を強く与えると反抗する馬なので、頼むから治まってくれという形で乗っていました。それもあまりうまくいかず、スタートも出られなかったのですけど、それは仕方ないと腹をくくって、前半急がせないで後半にかけようと思いました。
4着でしたけど、あの位置からよくあそこまで来たなと。やはり力はあるなと思いました。盛岡までの輸送もありましたし、17時半発走で暗くなっていたので、それで馬のテンションが上がったのではないかなと思います。それで馬もスタミナを使ったのかなとも思います。今回はそういった経験をしての京都ですから、馬の精神面ももう少し楽なのではないでしょうか」
(前走の立ち遅れは参考外と?)
「元々そんなに前には行けませんが、何となくみんなと同じようなスタートが切れて離れずに流れについていければ、
ノンコの持ち味の切れ味を最後に出してくれるということは十分証明されているので、そういった騎乗を心がけていきたいと思います。僕が乗ってから1着、1着、4着、4着なんですけどね、いいよーって感じですね(笑)。今回はいいように持っていきたいです(笑)」
(久々の右回りだが?)
「大井で走っているのも見ていますし、右回りで強いレースをしていますからね、不安は1つもないです。ただこの馬が気分良く走れるように、どう自分が導いてあげられるかなという、ただその1点だけではないでしょうかね」
(1900mという距離は?)
「過去に2000mも走っていますし、そこは別に気にはしていないですし、後ろから行く馬なので、それくらいの距離があった方が良いと思います。どう気分を乗せて流れに乗せて最後良い形で強豪馬に並べるかというところが1番肝心だと思っています」
(
JRAの競馬場に公営の強者を迎えてJBCが行われることについては?)
「これまで地方でずっと開催されていたのですが、
JRAはコースの幅も広いですし、そういった中で競馬ができるということは、新たなスターが出やすいレースではないかと思っています。中央でダートだけのGI(JpnI)を1日に3つやるということは、
JRAで初なので、すごく競馬が盛り上がると思います。
JRAの競馬場で開催することによって、JBCが世にもっと広がると思います。来年、再来年とまた地方で開催された時に、JBCの重みをそれまで知らなかったファンの方が足を運んだり、馬券を買ってくれるのではないかとも思いますし、地方にまたJBCが帰った時に必ずそういったプラス
アルファがあると思っています」
(最後に意気込みを)
「
JRAの今年初めのGI(
フェブラリーS)を
ノンコノユメで勝たせてもらいました。その時のパフォーマンスが秋にもできたら、必ず強い
ノンコノユメが帰ってくるという思いで騎乗したいですし、是非応援してください」
■加藤調教師
(僚馬をリードする形で先行して引き付けてという、今朝の追い切りの狙いは?)
「特に狙いはないですよ。いつも気分通り、その馬の気分を害さないような、当該週はいつもそういう調整をしています」
(コンディション維持が主眼の追い切りで?)
「そうですね、前走から出走間隔もさほど開いていないので、そういうことだと思います」
(前走は出遅れての4着だったが?)
「出遅れて4着でしたが、着差以上に出遅れ分の方が多かったかなという印象がありますね」
(あの出遅れさえなければと、捉えても良い?)
「そのような捉え方もあると思います」
(出遅れもあったが力は出せた?)
「そうですね、あの馬の力は存分に発揮できたと思います」
(この馬が1番力を出せるためのポイントは?)
「今回は地方交流ですが
JRAの所属馬も多数いてペースが流れるでしょうから、この馬向きの流れにはなってくるのではないかと思います」
(京都競馬場参戦は初になるが?)
「今まで意識して使わなかったわけではなくて、たまたま適したレースがなかったので出走はなかったですけど、右回りの1900mはそんなに問題視することはないでしょう」
(近走は左回りが多かったが、右回りの対応については?)
「3歳の500万(1着)の時に右回りでもしっかりコーナーでも差を詰めたりとか、
ジャパンダートダービー(JpnI・1着)の時も右回りでしたし、そこまで慎重に考えることはないと思っています」
(公営の強者も含めてという中での理想展開は?)
「追い込み馬なので、前半にある程度先行争いをしてもらって、平均よりやや速いくらいの流れになってくれればいいですね」
(枠順は?)
「1900mですし、ある程度後ろから行くので、さほど枠順はこだわっていないですね」
(京都への輸送競馬になるが、馬体重はどのくらいに?)
「輸送減りするタイプではないのですけど、前回のマイナス11キロは着いてから競馬までの間に段々気持ちが入ってきて多少イレ込んで、その間に体重が減りました。輸送減りや飼い葉食いが落ちたとかそういう馬体減ではないので、さほど輸送に関しては心配はしていません」
(今回は日中の競馬で、前回のような感じにはならない?)
「そうですね、私もそう思っています。ナイターはちょっと馬の気分が高揚するところがあるみたいですし、前回は隣の馬がとてもうるさかったので、仕方ない部分もあるかなと思います」
(輸送は前日の土曜日予定で?)
「そうですね」
(春のチャンピオンとして今回は公営の強者を迎える立場となるが、最後にメッセージを)
「公営の強者をしっかり捉えられるように、レース前に気合いを入れておきます」
(取材・文:佐々木祥恵)