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中央の舞台でも充実見せたケイティブレイブ/JBCクラシック回顧(斎藤修)

  • 2018年11月06日(火) 12時00分
 GIII勝ちしかないサンライズソアが1番人気になったのはやや意外だったが、鞍上がいまもっとも勢いのあるルメールだからということもあっただろうし、同じ舞台の平安Sのパフォーマンスが高く評価されたということもあっただろう。ぼくは鞍上でプラスαはしなかったが、平安Sの評価で本命としていた。

 当然のことながら平安Sよりもメンバーが揃って、逃げたのは同じサンライズソアだったが、テーオーエナジーテイエムジンソクという、先行すべき馬が直後でつついてJpnIらしい厳しいペースになった。同じ良馬場で、平安Sの1000m通過が1分2秒7で、今回が1分1秒1。京都ダート1900mでは、ペースが緩むことが多い1周目のゴール板から向正面中間あたり、残り1600mから1000m地点の600mのラップが平安Sが38秒1だったのが、今回は37秒0と、それほど緩むことがなかった。

 息の入らない流れで、残り100mあたりまで先頭で3着に入ったサンライズソアのパフォーマンスは評価されていい。レースの上りが38秒1とかかったところ、サンライズソア自身は38秒4でなんとか粘った。

 その厳しい流れを、中団追走から終いの脚を使ったケイティブレイブが勝ち、オメガパフュームが2着。前者の上りが37秒0で、うしろから追いかけた後者が36秒7。平安Sサンライズソアの勝ちタイムが1分57秒3で、今回のケイティブレイブは1分56秒7。その差はわずかにコンマ6秒だが、レースの質としてはその差以上に、今回のほうがはるかに高かった。メンバーが揃ったJpnIだから、当たり前といえば当たり前だが。

 勝ったケイティブレイブは、言われていたように昨年4歳から今年5歳にかけての充実ぶりを、あらためて結果で示してみせた。図らずも出遅れて直線で差し切った昨年の帝王賞の経験はやはり大きい。それ以前のケイティブレイブであれば、テーオーエナジー(7着)やテイエムジンソク(14着)と同じようなレースをしていたことだろう。相手なりに控えるレースができるようになった福永祐一騎手の自信もあった。そして懸念されていた中央の重賞で実績がないということも払拭してみせた。

 3歳のオメガパフュームは、あらためて世代レベルの高さを見せた。シリウスSに続いて直線でサンライズソアをとらえたが、その前回は4.5kgのハンデ差だったのが、今回は定量で2kg差。ケイティブレイブに3/4差も自信になる。チャンピオンズCでは、さらに古馬との斤量差が縮まって1kg差。ここを経験してのさらなる充実があれば逆転は可能かもしれない。

 ノンコノユメサウンドトゥルーが、ともに36秒台の脚を使って差のない4着、5着に追い込んだことでも、前半それなりのペースでレースが流れたことがわかる。ノンコノユメは状態上向きだが、去勢してもなお気性難が残り、今年のフェブラリーSのように弾けるかどうかはそのときの状態次第。サウンドトゥルーも持ち味を発揮したが、さすがに8歳という年齢はあるだろう。

 最後に、62歳の的場文男騎手シュテルングランツの前走東京記念は、2400mという距離もあり、前半1200mを1分17秒2というスローに落として逃げ切ったが、かつて中央では1400mを中心に使われていた経験があってか、早い流れを3番手につけたのにはちょっと驚いた。さすがに向正面から徐々に後退して勝負にはならなかったが、ファンのたくさんの声援にこたえて見せ場はつくった。

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