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【JRA】コルコバード木村師「彼女に何とか報いたい」/エリザベス女王杯共同会見

  • 2018年11月07日(水) 20時30分
 2600mの丹頂S(OP)2着からエリザベス女王杯に臨むコルコバード(牝5・美浦・木村哲也)を管理する木村調教師が、共同記者会見に臨んだ。

(最終追い切りについて)
「今回に関しては強弱をどうするかの判断を昨日の午後まで悩みまして、(最終追い切りは)強い方にシフトしました。

 ウッドチップコースで追い切ったのですけど、先週の水曜日の時より前半の動き出しから質が相当高くなっていると思って見ていました。ラストの動きに関しては皆さんに評価をお任せするところではあるのですが、併せ馬のタイミングや併せる相手の質、コルコバードの課題などを含めて、それほど見栄えするものではないのかもしれないですけど、我々管理する側としては満点回答で戻ってきたと思っています」

(満点回答で?)
「満点回答で(笑)。人気にならないので気楽に言っていますけど(笑)。2歳の時からここに至るまでなかなかトップコンディションに持ってこれなくて、私のキャリアの浅さがコルコバードの足を引っ張っているようなところがあり、すごい負い目を持ちながら管理してきたのですが、昨日火曜日(11/6)の朝に馬を見た瞬間、先週までやってきた積み重ねに対してコルコバードがそれこそ満点回答で、トップコンディションに来ていると思いました。

 そこから先どういうふうに舵を取るのかはギリギリまで悩みました。最終的には馬に更なる期待を込めたというか、現状維持ではなく更なるチャレンジをしてコルコバードに報いたい。そういうイメージです」

(この馬の持っているものをすべて引き出そうと、厩舎一丸となってやってきてそれが形になりつつある?)
「2歳の時から管理させてもらっていて、その都度手抜かりなくその時点での厩舎の嘘のない仕事はしてきたのですが、それでも振り返るとあの時ああすれば良かった、こうすれば良かったということがありました。数字的には厩舎が上昇気流に乗ってきているこの3、4年間ではありますが、やはりその間に犠牲になっている、失敗している馬たち、その失敗があっての今です。

 わかりやすく言うと、コルコバードは今5歳なので4年間ともにあってくれた馬で、残念ながら彼女の現役でのキャリアはそろそろ終わりが近づいてきています。その中で数少ないチャンスであるこのようなGIレースに導いて、彼女に何とか報いたいという気持ちは持っています」

(これまでにない仕上げで?)
「昨日の時点まではそのように持ってきていると自信を持ってやっています。追い切りが終わって今日、午後、明日と馬はまた変化があると思いますが、上昇すると信じて今日の調教の設定は当然組んでいます。日曜日のゲートインまでやることはまだありますし、精査しなければならないことも当然出てくると思うのですけど、そこも嘘のない仕事はしたいなと思っています」

(管理する中で苦労した部分も?)
「馬が苦労しているというか。私は本当にやってしまったという感じなので、馬は本当に辛い思いをしていると思うんですよね。いろいろな痛みを抱えたりしながら、歯を食いしばってレースでも走ってくれますし、そういった中でいろいろと管理の経験をさせてもらってはきました。それが当然ウチの管理馬、他の馬たちにも生かされているのですけど、いい加減このあたりでコルコバードが報われるべきだと思いますし、そういう仕事はしたいです」

(前走の丹頂Sを振り返って?)
「函館競馬場でまず管理させてもらったのですけど、入ってきてなかなか環境に馴染みづらく、なおかつ札幌に移動してまたそこで環境が変化してという中で、彼女自身の心のありようが難しいところはあったと思うのですけど、それこそ彼女の自力で競馬の形を作ってくれました。

 結果着順は残念だったのですけど、あの時点での100パーセントを出せたと思っていますし、それこそいろいろ痛みを抱えながらも走ってきてくれたので、個人的には評価しています」

(牡馬相手のオープンでその先に光は見えたのでは?)
「おっしゃる通り牡馬相手に頑張ってくれたところもありますし、本当のトップコンディションに持ってくればこんなはずではないというような期待も当然持っている馬なので、仕切り直して間あけて、疲れを取って今回というところではあるのですけど」

(その前は去年の秋から今年4月まで3連勝しているが?)
「当時はようやく体が本当に強化されて、稽古に関しても日常に関してもこなしてくれる状態だったのですが、最終的にはツメのトラブルでまた間があいてしまって、札幌から今回ということになりました」

(3歳春のスイートピーS後、一貫して2400、2200mという距離を選んで出走させているが、早い段階から長い距離に適性があると感じていた?)
「ある程度前めのポジションで競馬ができれば楽なのですが、どうしても置かれてしまうというところと、普段の稽古の雰囲気だとかトータル的なところですね。距離が長くても、東京の2400を使ってもこなしてくれてはきてはいますので」

(今回の京都の2200mはまさにこの馬のためのGIなのでは?)
「そうですね、それこそ春はエリザベスから逆算してどう持っていったらいいのかと思いながら管理していたところはありますし、1度京都で脚を使えなかったレースもあるのですけど、それも含めてチャレンジしたいなと思っています。

 ただコースだ、競馬場だという前段階は正直どうでも良くて、皆が注目するレースにコルコバードを良い状態で送り出したいという感じですね。そこの1点に尽きると思っていますし、返し馬におろすまでやれることをやってあげたいなと思っています」

(その京都で1度脚を使えなかった原因は?)
「状態は悪くはなかったのでかなりガッカリしたのですけど、3コーナーから4コーナーにかけての上り下りに馬が対応できませんでした。それが初めてだからなのか、コルコバードのそのものなのかは、正直答えはわかりません」

(関西圏への輸送については?)
「先ほど申した通り、京都で1回あまり良い走りができなかったというモヤモヤしたものはあるのですけど、厩舎としては去年くらいから関西圏を使う機会がわりと増えて、そこでやってきた経験を含めてデータを集積してというのもありますし、昨今京都開催も毎週使わせてもらっている中で、いろいろ準備してきている部分もあるので、それも含めて今週に関してはコルコバードに注入していきたいなと思っています」

(レースに向かって思いが強くなっている?)
「激熱ですよ(笑)。先週まではのんびりしていたのですけど、日曜日に競馬場でコルコバードの共同記者会見だと聞いて、そこからテンションが上がりました(笑)」

(鞍上の浜中騎手とは話をする予定は?)
「調教師はGIを勝ったことはないですけど、騎手はGIをたくさん勝っているので、逆に頼りたいくらいです。中山で乗ってもらっていますし、悪いイメージはそんなにないと思います。お願いしますとしっかり話をして、乗ってもらえればなと思っています」

(最後に意気込みを)
「GIの舞台までもう少しのところまで来ていますので、応援して下さるたくさんの方にコルコバードの頑張っているところを見せられるように。何とか日曜日まで頑張って最大限努力していきますので、応援してください。よろしくお願いします」

(取材・文:佐々木祥恵)

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