今週の栗東は6日の夜に雨。この量がかなり多かったようで、ウッドチップ馬場に与えた影響は大きかった。ただ、坂路馬場に関しては、ウッドチップの入れ替え工事があり、チップが馴染んでいないところに雨が降ったことで、逆に締まりが出たという意見を聞くこともできた。
Cコースに関しては、雨が時計を要する影響になっている。軽い走りをする馬には重い馬場かも知れないが、一時期の軽すぎるCコースよりは適度に負荷がかかっているという見方をすることもできるだろう。
【坂路/4F51.9秒】
11月7日。一番時計は
サングラス(栗東・
谷潔厩舎)の4F50.3秒。過去にも何度か一番時計をマークしたことがある同馬だが、数字的には過去の一番時計と差がない。ということは、馬場差を決める際に参考にしやすい時計ということになる。ちなみに同馬が一番時計をマークした時はほぼ基準時計通りなので、まずはこの時計を目安にしたい。
そして全体的な時計の出方を見ても、先週よりも4F51秒台の頭数が多い。ということは、冒頭に記したように、雨の影響で馬場が締まって走りやすい状態という判断でほぼ間違いないだろう。
11月8日。一番時計は4F50.0秒の
クィーンズベスト(栗東・
大久保龍志厩舎)。この数字を見ても、前日とほぼ変わりない馬場であることは間違いない。
この日、1回目のハローが終了した時間帯に
マイルCS(11月18日・京都芝1600m)の1週前追い切りを行った
ジュールポレール(栗東・
西園正都厩舎)。きれいなウッドチップの上を軽快なスピードで駆け上がっていき、2F目には12.4秒のラップまで加速した。
その勢いは3F目11.8秒までスピードを上げていったが、さすがにゴール前は13.2秒に失速。4Fは51.6秒という時計になった。前走、2走前と追い切りでは後半2Fがしっかりと速いラップを踏めるタイプだっただけに、このラップの踏み方に対する評価は難しい。先週の追い切りでも4F目13.1秒というラップだったので、最終追い切りでどんな動きを見せるか注目したい。
先週1日の馬場差は「+0.3秒」。時計の出方を見ても、7日、8日ともほぼ同じ状態で、基準時計とほぼ同じ。よって馬場差は『±0.0秒』で馬場差を記録している。
【CW/5F66.0秒】
騎乗者の意見、時計の出方を見ても、馬場差の判断が非常に難しいのが、今のCコース。時系列で表現すれば、7日から8日の2回目のハローまではほぼ同じ状態。しかし、8日の2回目のハローが終了した時間帯に関しては、ラスト1Fで速い時計が目立った。この時間帯にいろんなタイプの馬が追い切ったことを考えると、ここで馬場状態が変化したと考えてよいだろう。
まず、7日に素晴らしい動きを見せたのは
ブラックカード(栗東・
鈴木孝志厩舎)。追い切った時間帯は7時30分ごろだったが、併せ馬で追走して、4コーナーは大外を回ったにも関わらず、最後は楽々と相手を交わして先着。時計は6F79.3秒、非常に中身の濃い追い切りだった。
8日は
ダブルクラッチ(栗東・
野中賢二厩舎)。1回目のハローが終了した時間帯に2コーナーから入場しての単走での6F追いだったが、軽快なスピードで6F82.8〜5F67.4〜4F53.1〜3F38.9〜1F12.5秒という時計だった。
先週の馬場差は「-0.3秒」。今週は8日の後半を除くとほぼ同じような時計の出方。ただ、そこだけを違う馬場差にするわけにもいかないので、7日と8日を共通して『-0.3秒』で馬場差を記録することにした。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は7日に10頭を超える頭数、8日にも
友道康夫厩舎が併せ馬で利用している。馬場状態としては走りやすいし、時計も出ている。よって馬場差は『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場に関して、今週は雨の影響もあってか、追い切り頭数はここ数週の中で最も多い。ただ、馬場状態に関しては、相変わらず時計は速すぎず遅すぎずの適度な状態と判断してよい。今週の馬場差も先週と同じ『+0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)