「
エリザベス女王杯・G1」(11日、京都)
つかんだチャンスを無駄にはできない。デビュー2年目の秋、
川又賢治騎手(20)=栗東・フリー=が、感謝の思いを胸に待望のG1初騎乗に臨む。
ヴァフラームとは初タッグの前走でV。相性の良さを味方に、大仕事の予感が膨らむばかりだ。
ヴァフラームで臨む最強牝馬決定戦。人馬にとって初のG1チャレンジを前に、川又は自分なりの誓いを立てた。「京都の外回り2200メートルという条件は(
ヴァフラームに)ピッタリ。気負うことなく挑戦したい。そう思っています」
初めてコンビを組んだ前走の
ムーンライトH。切れ味鋭い末脚を引き出し、勝利へ導いた騎乗ぶりが認められた。吉村師は「位置取りなど、こちらの指示を理解してしっかりと乗ってくれた。信頼していますし、飛躍のチャンスにしてほしい」と背中を押す。
今年1月に骨折し、約2カ月にわたって戦線を離脱。5月には、所属していた森厩舎を離れた。「森先生にはたくさんのチャンスを頂きました」と感謝の言葉を口にする。アク
シデントを乗り越え、さらに環境を変えたことで「自分を見つめ直す時間も増えた」と言う。いろいろな厩舎の調教を手伝うことで信頼関係を築き、騎乗数も徐々にアップしていった。
今年は特別戦2勝を含めJRA38勝。平場オンリーで9勝に終わった昨年を大きく上回る成績を挙げている。「いろいろな方々に助けていただきながら、騎乗に関しての引き出しが増えてきたように思います。本番になれば、周りの雰囲気が違うので緊張するでしょうが、悔いのないレースをしたいです」。“
エリザベス女王杯”というステージは、到達点ではなく出発点。託された手綱に感謝の思いを通わせ、先頭でのゴールを目指すだけだ。
提供:デイリースポーツ