スマートフォン版へ

【エリザベス女王杯】アドマイヤグルーヴが連覇し、武豊騎手は4連覇を達成/女王連覇物語

  • 2018年11月10日(土) 16時15分
 モズカッチャンの連覇なるかに注目が集まる、今年のエリザベス女王杯。達成されると、鞍上のM.デムーロ騎手は同一GI3連覇となる。これまでエリザベス女王杯を連覇した3頭のなかにも、騎乗馬の連覇によって同一GI4連覇の偉業を成し遂げた騎手がいた。「女王連覇物語」、今回は2003年・2004年のアドマイヤグルーヴをお届けする。

■3強対決を制して連覇達成

 アドマイヤグルーヴは、名牝エアグルーヴの初仔としてデビュー前から注目された。クラシック3冠もすべて1番人気に支持された。しかし、3冠牝馬の称号を手にしたのはアドマイヤグルーヴではなくスティルインラブだった。

 2頭が秋華賞の次走に相対したのが、2003年のエリザベス女王杯である。このときは、3冠馬のスティルインラブが1番人気、アドマイヤグルーヴが2番人気で2強の様相を呈していた。

 レースはその2頭による一騎打ちとなった。道中中団から直線で先頭に立とうとするスティルインラブに、それをマークするように追走したアドマイヤグルーヴが外から強襲する。アドマイヤグルーヴは一気に差し切る勢いだったが、スティルインラブも意地を見せて差し返す。2頭のデッドヒートはゴールまで続き、ハナ差でアドマイヤグルーヴに軍配が上がった。牝馬3冠で苦杯をなめたスティルインラブに雪辱を果たしただけでなく、アドマイヤグルーヴにとって悲願のGIタイトルをようやく手にした瞬間だった。またこれは、母仔3代GI制覇となった。

 武豊騎手は、トゥザヴィクトリー(2001年)、ファインモーション(2002年)に続くエリザベス女王杯の勝利で、同一GI3連覇を果たした。レース後には「皆さんに期待されてGIを勝てる力があるのに、なかなか勝たせてあげられなかったので本当に嬉しい」とコメント。武豊騎手にとっても、この勝利は悲願のGIタイトルであり、格別なものだったのではないだろうか。

 翌2004年、4歳となったアドマイヤグルーヴは古馬や牡馬に挑むも勝つことはできず、牝馬限定のマーメイドSが唯一の勝利だった。ただ、マーメイドSは3馬身差の快勝で1.5倍の断然人気に応えており、牝馬同士ではトップクラスの強さを誇っていた。

 そうして迎えたエリザベス女王杯。天皇賞から中1週で臨んだアドマイヤグルーヴは2番人気、1番人気はこの年の秋華賞を制したスイープトウショウだった(最終オッズはともに3.3倍)。さらに3番人気が同期のスティルインラブ、このときは3強の構図だった。

 レースは1番人気スイープトウショウの出遅れでスタート。この年もアドマイヤグルーヴは中団の外、スティルインラブを見るようにして直後を進む。前年と違ったのは直線を向いてからだった。外から伸びあぐねたスティルインラブに対し、アドマイヤグルーヴは馬場の真ん中から鋭い脚で伸び、3/4馬身差をつけ先頭でゴールした。

「昨年はどうしてもこの馬に1冠を取らせたいという気持ちが強かったが、今年は少し嬉しさも違う」とは、レース後の武豊騎手。前年よりも強さが際立つコメントだった。武豊騎手アドマイヤグルーヴを史上2頭目となるエリザベス女王杯連覇に導くとともに、自身の記録を伸ばし同一GI・4連覇とした。

 アドマイヤグルーヴは2012年10月に12歳で急死、繁殖としては5頭の産駒しか遺せなかった。それでも最後の仔であるドゥラメンテが、母の届かなかったクラシック(皐月賞・ダービー)を制し、史上初の母仔4代GI勝利を達成した。アドマイヤグルーヴは、母になっても、亡くなった後でも注目の存在であり続けている。

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す