JRA初の同日GI(JpnI)3連発で盛り上がった4日のJBC競走。そのトリを飾る
JBCレディスクラシックを制した
アンジュデジールの昆調教師は、ゴール前で興奮し「久々に声が出てしまった」という。
「社台グループと外国人騎手が席巻しているこの時代に、それ以外の牧場の生産馬と日本人騎手でビッグレースを勝つことがどれだけ難しいか…。わずかな隙間を縫っていかないと、とてもじゃないけど勝てない。
アンジュデジールが直線で(
ラビットランを)差し返せたのは、俺と(横山)ノリちゃんの執念が乗り移ったこともあったのかなって…。とにかく久々にシビれたね」
11日の京都競馬では1Rから11Rまで外国人騎手が勝ち続けたことが大きなトピックになったばかり。社台グループ&外国人騎手が勝ちまくる流れが、まだまだ加速度を増していくことは容易に想像がつく。もちろん、印をつけて馬券を買う側からすれば、「ノーザンファーム&外国人騎手」のコンビは心強いし、
ジャパンCも素直に
アーモンドアイに◎をつけるつもりだが…。
「そればっかりだと競馬が面白くないでしょ」と公言する昆調教師のような気概を見せる、非ノーザンの“チーム・ジャパン”の反撃を期待している自分もいたりする。
登録馬16頭中、社台グループの生産馬が実に10頭(
マカヒキ、
ミッキーロケットは出走回避)を数える今年の
ジャパンCで、ひそかに期待しているのは
アサヒ牧場生産で、内田博騎乗の
ウインテンダネスだ。
「体が太い分には競馬を使っての良化が期待できるけど、体が戻っていないところからレースを使いだすと戻りが遅い。この秋は3走目の今回でようやく、良くなってきた感じ。ここ2走(
京都大賞典6着→
アルゼンチン共和国杯4着)と比べれば、はるかにいい状態だよ」と小川助手。
その近2走は
ノンコノユメと同日、別場所で出走がバッティングしたため、主戦の内田博が乗れなかったが、秋最高のデキで迎える、この
ジャパンCに
ベストパートナーが戻ってきたのは購買意欲がそそられる。
ペースを落とし過ぎて、苦手な切れ味勝負を自ら招いてしまった前走の轍を踏まないよう、今度はおそらく積極果敢に行って、後続に脚をなし崩しに使わせる戦法に出るはず。あとは府中の直線でどこまで粘れるのか…。
ウインテンダネスの逃走劇には大いに注目している。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ