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【ジャパンC】2つの“史上初”を達成 記録にも記憶にも残る名牝・ジェンティルドンナ/JC名牝列伝

  • 2018年11月23日(金) 21時00分
 今年のジャパンカップアーモンドアイが目指すのは、史上5頭目の牝馬制覇であり、史上2頭目の3歳牝馬による制覇である。『ジャパンカップ名牝列伝』、今回は史上初の3歳牝馬制覇、そして翌年には史上初の連覇を達成した2012・2013年のジェンティルドンナをお送りする。

■史上初のJC連覇を達成した“貴婦人”

 2012年、史上4頭目の三冠牝馬に輝いたジェンティルドンナは、4冠を目指す舞台としてエリザベス女王杯ではなく、ジャパンカップを選んだ。この年の日本馬の代表格は、凱旋門賞制覇をわずかに逃しての帰国初戦となったオルフェーヴル。それに続くのが、クイーンエリザベスII世C覇者で国内GI初勝利を狙うルーラーシップジェンティルドンナは3番人気だった。

 外枠(8枠15番)からスタートしたジェンティルドンナは、積極的に前へ。鞍上の岩田康誠騎手が「昨日今日の馬場を見て、内にこだわった」とレース後話したように、3番手の内で折り合いをつけた。ビートブラックが引っ張る流れは、1000m通過が60.2秒。道中は中団後方に構えたオルフェーヴルは、4コーナーから外目を捲り気味に上がり、直線入口2番手で末脚爆発の準備を整えた。

 直線を向き、2番手以降はほぼ一団でスパートを開始したが、ジェンティルドンナオルフェーヴルが伸び、残り200mで逃げるビートブラックを交わす。そこから2頭による三冠馬同士の激しい叩き合いがゴールまで続き、最後はジェンティルドンナがハナ差先着して、3歳牝馬で初めてジャパンカップのタイトルを手にした。

 直線のオルフェーヴルとの接触で審議対象となったが、岩田騎手は「オルフェーヴルに勝ち、3歳牝馬がジャパンカップを勝ったということ。ジェンティルドンナをほめてあげてください」と、馬をフォローした。

 2013年はドバイ遠征(ドバイシーマクラシック2着)し、帰国後は宝塚記念3着、天皇賞・秋2着と勝ち星をあげられず、ジャパンカップに向かった。しかし、ゴールドシップ(2番人気)やエイシンフラッシュ(3番人気)をおさえ、1番人気に推された。

 レースはエイシンフラッシュが押し出されるようにハナに立ち、ジェンティルドンナは3番手集団の中で折り合いをつけた。一方、ゴールドシップは最後方を進む。この年の1000m通過は62.4秒というスローペースのなか、ゴールドシップが3コーナーから徐々に外を回りポジションを上げる。

 直線で逃げ切りを図るエイシンフラッシュの内を突いたのは、ジェンティルドンナ。仕掛けられると反応よく抜け出し、直線半ばで先頭に立った。残り100mで3歳牝馬デニムアンドルビーが外を急追するも何とか凌ぎ、史上初のジャパンカップ連覇を果たした。

 前年と同じハナ差の勝利も、前年と比べれば調子はいまひとつだった。それでも追い切りに乗り、何度も過去のレースを見て臨んだという初コンビのR.ムーア騎手は「今日は彼女の力を信じて騎乗した。予想よりも前での競馬だったが、最後までよくがんばってくれた。ジャパンカップ連覇に貢献できて嬉しい」と喜びを語った。

 2014年のジャパンカップは4着で3連覇はならなかったものの、引退レースとなった次走の有馬記念は、4番人気で勝利して有終の美を飾った。

 GI・7勝、獲得賞金額歴代2位、2度の年度代表馬など、引退時には数々の記録を残した。また、馬名の「貴婦人」らしからぬ勝負根性を見せて、牡馬を倒しファンを魅了することも多かった。ジェンティルドンナは、記録にも記憶にも残る名牝なのである。

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