2000年に創設された
ジャパンカップダートから、様々な条件で開催されてきた
チャンピオンズC。そんな「
チャンピオンズCヒ
ストリー」から、今回は唯一の中山開催となった2002年の
イーグルカフェを振り返る。
■ダート初勝利でGIを制す
当時、クラシックに出走できなかった外国産馬の
イーグルカフェは、2000年の
NHKマイルCを制した。ところがその後、勝てない日々が続く。久々の勝利は
NHKマイルC以来、2年2か月経った
七夕賞だった。
その後、
札幌記念8着からフランスへ。
凱旋門賞に出走する
マンハッタンカフェの帯同馬という役割だった。ただ、現地ではG2戦(ドラール賞・芝1950m)で3着と好走し、異国でも復調気配を見せた。そして迎えたのが、中山ダート1800mで行われた2002年の第3回
ジャパンカップダートだったのだ。
このときの1番人気は3歳馬
アドマイヤドン。
菊花賞から転戦した
JBCクラシックで7馬身差をつけて圧勝し、ここに乗り込んだ。2番人気も3歳馬で、
ジャパンダートダービーを7馬身差、ダービー
グランプリを10馬身差で連勝していた
ゴールドアリュールだった。単勝オッズは
アドマイヤドンが2.2倍、
ゴールドアリュールが2.6倍。3歳馬2頭の対決ムードのなか、
イーグルカフェは5番人気(単勝オッズ20.8倍)だった。
レースは、先行争いから
アルアランがハナに立った。
ゴールドアリュールはそのすぐ後ろ、さらに直後で
アドマイヤドンは
ゴールドアリュールをマークするように追走する。
イーグルカフェは中団の内につけ、向正面から馬群を縫って位置を上げていく。そして3〜4番手の内で4コーナーを回り、
アドマイヤドンに並びかけていった。直線を向き先頭に立った
ゴールドアリュールに、内から
イーグルカフェ、外から
アドマイヤドンが迫る。3頭の競り合いになるかと思われたが、内の
イーグルカフェが鞍上のL.デットーリ騎手の激励に応えぐいっと抜け出しゴール。デットーリ騎手の右手が高々と上がった。1馬身差のGI勝利は、
イーグルカフェにとってダートでの初勝利だった。
管理した小島太調教師(18年2月で定年引退)は、のちに
イーグルカフェを、厩舎に初重賞(
共同通信杯)と初GI(
NHKマイルC)の勝利をもたらし、「しかも7歳で引退するまでずっと第一線で頑張ってくれた」といって、最も感謝している馬にあげた。生涯46戦で1番人気に支持されたのは新馬戦のみながら、7歳の引退まで何度もGIレースなどで強敵に立ち向かい、厩舎を支えた1頭だったのである。
ジャパンカップダートについては「親友でもあり地球上で最も素晴らしい騎手である
フランキーで勝てた。その喜びは忘れようがない」と語った小島師。親友である名手に導かれ、
イーグルカフェは史上3頭目の芝ダートのGI馬となった。