「チャンピオンズC・G1」(12月2日、中京)
今年のドバイワールドC4着で、6月の
スティーヴンフォスターHでG1初制覇を成し遂げた米国馬パヴェルが29日、決戦の舞台である中京のダートコースで、普段通りの調教メニューをお披露目した。
まずは右回りでダクを300メートル。続いて左回りで200メートルこなし、キャンターで2200メートル。4F64秒7-48秒2-16秒8という数字が示す通り、1F15〜17秒で流した程度だ。いわゆる紋切り型の追い切りではなかったが、力を誇示するような派手なデモンストレーションは必要ないということだろう。
調教をつけたセデーノ助手は「馬が“もっと行きたい”という感じで走っていた。中京のダートも、嫌がって走ってはいない」と確かな手応えを感じている。モラ師も「動きは
パーフェクト。あす(30日)以降も同じようなメニューになる」と満足そうな笑みをのぞかせた。
先行して粘り込む競馬が身上。実際、G1初制覇も道中4番手から4角で先頭に立ち、押し切ったものだった。「包まれるのは避けたい。あくまで3番手から5番手を追走するのが理想だが、展開や流れ次第では自分が行くプランも」とトレーナーは作戦を明かす。
前走のBCクラシックは10着に大敗したが、指揮官は「肝心なところで前の2頭が失速し、前が壁になる不利があった」と力負けではないことを強調する。「3、4着に好走してくれれば満足だが、もちろん勝つつもりで日本にやってきた」。03年JCダート覇者
フリートストリートダンサー以来の米国馬Vが懸かる一戦。控えめな抱負が逆に不気味だ。
提供:デイリースポーツ