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【阪神JF】自らも勝利し、2頭の2歳女王の母にもなったビワハイジ/2歳女王列伝

  • 2018年12月06日(木) 21時30分
 今年、70回を迎える阪神ジュベナイルフィリーズ。登録馬には父や母のファンだったひとも多いはずで、子供の活躍も楽しみのひとつだろう。1995年に女傑を倒し女王の座に就いた馬も、繁殖として多くの優秀な産駒を送り出した。今回の「GI列伝・阪神JF」は、ビワハイジを振り返る。

■4番人気からの鮮やかな逃げ切り勝ち

 1995年の阪神3歳牝馬ステークス。1番人気は2戦2勝のイブキパーシヴで単勝オッズ2.2倍という断然の人気を集めていた。以下、2番人気(単勝オッズ5.2倍)は1戦1勝のゴールデンカラーズ、3番人気(同6.0倍)は3戦2勝のエアグルーヴ、そして4番人気(同8.7倍)がビワハイジである。ビワハイジもこの年の最初の新馬戦を勝ち、続く札幌3歳Sは3馬身半差の快勝をおさめ、2戦2勝での参戦だった。しかし、それ以来4カ月ぶりの実戦であったこと、前2戦でコンビを組んだ武豊騎手イブキパーシヴに騎乗したことも、人気に反映したようだ。実は上位人気の4頭はすべて武豊騎手が騎乗してきており、そのなかから騎乗することになったのが前走レコード勝ちのイブキパーシヴだったのだ。

 ゲートが開き、好スタートから先手を奪ったのはビワハイジだった。その外にエアグルーヴイブキパーシヴは4番手の内につけた。道中はスローペースに落としてマイペースの逃げを打つビワハイジ、それを見ながら2番手を進むエアグルーヴイブキパーシヴも4〜5番手で虎視眈々と機をうかがう。直線を向くと後続がビワハイジを捕らえにかかるが、その差は縮まらない。最後にエアグルーヴが詰め寄るも、ビワハイジは半馬身差をつけ先頭でゴール板を駆け抜けた。

 この年、1月に起きた阪神・淡路大震災の影響で阪神競馬場は開催できず、京都や中京での代替開催が続いていた。阪神競馬場での開催はこのレースの前日から。再開後初の重賞が阪神3歳牝馬Sというなかで、ビワハイジは無傷の3連勝でGI制覇を果たしたのである。

 その後のビワハイジは故障も重なり100%の力を出せずに現役を終えたが、繁殖にあがるとその能力の高さを産駒に伝えていく。

 2005年の京成杯アドマイヤジャパンが産駒の重賞初勝利をあげると、ブエナビスタは2008年の阪神JFで産駒のGI初制覇とともに同一GI親子制覇を成し遂げた。そしてGI6勝の名牝として名を馳せる。阪神JFはジョワドヴィーヴルも制したし、重賞はアドマイヤオーラトーセンレーヴサングレアルも勝ち、6頭で15もの重賞タイトルを獲得した。

 タイトルホースのみならず、2015年に22歳で繁殖生活を終えるまで、12頭を出産し10頭が勝ち上がっており(地方を含む)、歴史に残る名繁殖牝馬となった。

 ところで、1995年の阪神3歳Sは、のちに重賞馬の母となる馬がビワハイジのほかに4頭出走していた。

 2着のエアグルーヴアドマイヤグルーヴルーラーシップのGI馬や、フォゲッタブルグルヴェイグの重賞勝ち馬を出している。5着のロゼカラーは、ローズバドローゼンクロイツが重賞を勝った。そしてこの2頭には、孫の代にGI馬が誕生している。6着のゴールデンカラーズチアフルスマイル、9着のシーズグレイスにもシャドウスケイプという重賞勝ち馬がいる。

 これをもって、1995年の阪神3歳牝馬Sを伝説のレースと呼ぶファンも少なくない。

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