ミレニアムで沸いた2000年、一年を通じて主役を張ったのが
テイエムオペラオーだった。
前年の
有馬記念で
テイエムオペラオー、
スペシャルウィークとタイム差無しの接戦を演じ、飛躍を大いに予感させていたが、その想像を上回る活躍をみせる。年明け緒戦の
京都記念を皮切りに、
ジャパンカップまでGIタイトル4つを含む7連勝を達成。年間無敗、そして5つめのGIタイトルをかけて、この
有馬記念を迎えていた。
ラ
イバルは
メイショウドトウ。この年、
宝塚記念、
天皇賞・秋、
ジャパンカップの3戦で
テイエムオペラオーの2着。宿命のラ
イバルを倒して悲願のタイトル奪取なるか。
レースは、逃げると目されていた
ホットシークレットが出遅れ。押し出され気味に
ジョービッグバンがハナを切り、人気の一角
ナリタトップロードは好位をキープ。
メイショウドトウは中団待機、そして
テイエムオペラオーは、この遅い流れの中、ゴチャつく馬群に行き場を無くし、後方からのレースを強いられてしまう。
勝負どころの3〜4コーナーを迎えても、依然として
テイエムオペラオーは後方のまま。
和田竜二が必死に促すものの、4コーナー11番手という絶望的な位置取りで直線を迎える。
絶好の手応えで外から抜けてくるメイ
ショウトドウ。遂に戴冠なったか――。しかしその内から、馬群を捌いてきた
テイエムオペラオーが急襲する。宿命のラ
イバル4度目となる対戦も、ハナ差で
テイエムオペラオーに軍配が上がった。
竹園正繼オーナーが「馬も騎手も、涙が出るくらい可哀想でした」と振り返るほどの徹底マークを受けた一戦。着差は僅かにハナ差だが、馬群をこじ開けての大逆転劇は、結果的に、
テイエムオペラオーの強さを際立たせるものとなった。