「
有馬記念・G1」(23日、中山)
“GP男”が外国人旋風を止めた。3番人気の3歳馬
ブラストワンピースが力強く抜け出してV。多彩なメンバーがそろった
グランプリを制し、待望のG1初制覇を飾った。鞍上の池添は単独トップとなる有馬4勝目。大竹師はうれしいG1初制覇となった。2着に1番人気
レイデオロが入り、3着が9番人気の
シュヴァルグラン。
武豊騎乗で話題を集めた、“障害の絶対王者”
オジュウチョウサンの果敢な挑戦は9着に終わった。
強気のロングスパートの先に、夢に見た栄光のゴールがあった。暮れの
グランプリは3歳馬
ブラストワンピースが奪取。古馬最強馬の追い上げを首差しのぎ切り、堂々たるレースぶりで悲願のG1初制覇を成し遂げた。
秋華賞を皮切りに、先週の
朝日杯FSまで、実に10週連続G1制覇と、外国人ジョッキー旋風が吹き荒れた今秋。その流れを自らの手綱でストップさせた池添は、1着を確信すると左手を大きく掲げて喜びを爆発させた。「ずっとこの馬に乗り続けてきて、ダービーと
菊花賞では結果を出せなかった。それでもG1を獲れると言い続けてきたから、本当にうれしい」と歓喜の表情を浮かべた。
自ら引き当てた8番枠から、道中は6番手でじっくりと脚をためた。勝負は4角手前。末脚を信じて一気に猛スパート。「前がしぶとい馬。後ろに
レイデオロがいるのも分かっていたけど、このタイミングしかない」-。こん身の右ステッキ。それに相棒も応えてくれた。直前まで降った雨で湿った馬場を力強く伸びると、逃げ粘る
キセキをとらえ、さらに外から迫る1番人気馬の強襲も封じ込めた。
池添はこのVで
有馬記念4勝目。
武豊など歴代の名手を抜いて、単独トップに立った。「
ドリームジャーニーや
オルフェーヴル、そして
ブラストワンピース…。名馬に乗せてもらっていたから。本当に感謝してます」。勝負強い“
グランプリ男”は、歴代のパートナーに感謝の思いを伝えた。
“俺のG1初勝利はお前のような気がする”-。昨夏、大竹師から言われた言葉。「僕も“そんな気がします”と返したのを覚えています。ずっと乗せ続けてくれた大竹先生にプレゼントができて良かった」と笑顔で話した。
デビューから全戦で手綱を取ってきた相棒は、平成最後の
グランプリホースとなった。「まだまだ強くなっていく馬。来年は古馬のチャンピオンになれると思います」と自信をみなぎらせる。同じ勝負服の最強牝馬
アーモンドアイにも負けてはいられない。新世代の王者が新しい時代を築いていく。
提供:デイリースポーツ