伝統の長距離GI。今年の1番人気は昨年のこのレースでレコード決着の2着、その後
ジャパンCを制した
シュヴァルグランだった。2番人気は前走の
阪神大賞典で久々の重賞2勝目をマークした
レインボーライン、3番人気は前走の
日経賞で重賞初制覇、昨年末に芝へ戻ってから4戦3勝の
ガンコが続いた。
揃ったスタートから、好ダッシュで飛び出したのは
ヤマカツライデン。
ガンコと
シュヴァルグランは好位3〜4番手、
レインボーラインは中団後方からの競馬となる。縦長の隊列は1000m通過60.1秒の平均ペース。2周目の向正面で
ヤマカツライデンがリードを広げるが、後続馬群は徐々に凝縮していく。そして4コーナーでは、
シュヴァルグランと
ガンコが
ヤマカツライデンを交わして先頭に立つ。
直線に入り、
シュヴァルグランと
ガンコとの叩き合いに、外目から
クリンチャーが脚を伸ばして迫る。さらに内に進路を取った
レインボーラインが猛追し、ゴール寸前で粘る
シュヴァルグランを差し切った。2着
シュヴァルグランとはクビ差、さらに半馬身差の3着に
クリンチャーが入った。勝ちタイムは3:16.2(良)。
「出入りの激しいレースにうまく対応してくれた。いい脚を使ってくれると信じていたので、できるだけ我慢しようと思っていた。直線は脚が残っていたから思い切って内を狙った。最後は何とか届いてくれと思って追いました」と振り返ったのは、勝利に導いた
岩田康誠騎手。
NHKマイルC3着、
菊花賞2着、
天皇賞(秋)3着など、あと少し届かなかったGIタイトルを10度目の挑戦でようやく手にしたのだった。しかし、岩田騎手に笑顔はなかった。ゴール後に歩様が乱れ下馬していたのだ。「次も無事に出走できる状態であればいいな思います」という岩田騎手の願いは残念ながら届かず、「右前肢跛行」はその後「右前繋部浅屈腱不全断裂」と診断され、ターフを去ることとなった。
1着
レインボーライン 2人気
2着
シュヴァルグラン 1人気
3着
クリンチャー 4人気