東京大賞典から一夜明けた30日、優勝した
オメガパフュームは栗東トレセンの馬房で元気な様子を見せていた。
担当する安楽厩務員は淡々と昨日の勝利について振り返った。
「ゲートもこの馬にしては及第点。ゲートについていったので移動のバスの中でレースを見ていました。モニターを見ながら一人で『ミルコ!ミルコ!!』と大声で応援しましたよ」
オメガパフュームが抜け出した瞬間、勝利を確信したという安楽厩務員。積年の想いが果たされた瞬間でもあった。
実は安楽厩務員は以前は目野厩舎で働いており、デビュー前に1か月ほど
ケイティブレイブを担当しており、担当を外れたあとも
ケイティブレイブを応援する立場にあった。他にもダートのオープン特別である
仁川Sを勝った
ナムラアラシ、かつては1997年の
フェブラリーSで1番人気に推されながらもゴール手前で
シンコウウインディに差されて2着に敗れた
ストーンステッパーを手掛けていた。
「これまでのいろんな想いがあって、時に複雑な気持ちだったこともあります。でも、この1勝でハッピーになれて今までのことは忘れました(笑)。GIを勝ってくれたら苦労なんてないですよ。そして、これからもまた次の1勝で得られるハッピーを目指して淡々と自分のするべき仕事をしていく。この繰り返しです」(安楽厩務員)
当の
オメガパフュームはまた来年のハッピーに備えて、英気を養うことになる。
「レース後の息の入りもいつもと変わらないです。性格はキツイほうですが、今のままでいてくれたら。まだ3歳ですし、これからも楽しみですね」
(取材・文:花岡貴子)