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中山金杯・G3」(5日、中山)
重賞制覇へ機は熟した。
タニノフランケルは3日、栗東坂路で併せ馬。2馬身遅れたが、輸送を考慮しての軽めの調整で問題はない。前走を2番手から抜け出して快勝。脚質に幅が出て成長著しい超良血馬が、勢いに乗って挑む。
父は14戦無敗の怪物フランケル。母は
日本ダービーを含めてG1・7勝の名牝
ウオッカ。珠玉の配合で誕生した
タニノフランケルが臨戦態勢を整えた。
最終追い切りの舞台は、栗東坂路。併走した
アールジオール(3歳未勝利)と歩調を合わせて駆け上がり、最後は2馬身先着を許した。ただ、前に出られたのは坂上寸前。無理をして追うという意識はなく、自分のリズムを守って登坂した。
4F55秒6-40秒1-12秒8。辻野助手は「輸送もありますし、併せ馬でしまいは流す程度に。ですから、遅れたことに関しては、気にしなくていいでしょう」と振り返りながらも「放牧を挟んでいるので、緩さが残っている面はあるのですが」と付け加えた。成長の余地を残している分、伸びしろは大きいとも言える。
前走は2番手からしっかりと伸びて勝利。それ以前の勝ち星(3勝)が、全て逃げ切りだったことを考えると、階段を1つ上ったと言っていい。「まだ馬を気にするところはありますが、収穫は多かったと思います」。戦い方の幅が広がったと同助手は話した。
1800メートル、2000メートルでは(4・1・1・2)の成績。中山芝2000メートルは未経験だが、力を発揮できる舞台なのは間違いない。「重賞ですから相手も違いますが、ハンデは軽いですからね」。53キロをフルに生かして立ち向かいたい、と同助手は期待を込めた。勢いをキープして挑む試金石の一戦。初春の中山で秘めた才能がきらめく。
提供:デイリースポーツ