今週のトレセンは雨こそ降っていないが、スカッと晴れるという日も少なく、体感温度は低い。実際の気温も調教開始時刻で13日が3℃、14日が0℃だった。
気温が低いとウッドチップ馬場は時計を要するというのが、これまでの定番だったが、今年に関してはそんな印象が全くない。各項で説明するが、全般的に見ても時計が出やすい状況ということでよいだろう。
【坂路/4F51.9秒】
2月13日。朝一番から坂路のモニターを見る関係者が口々に「今日は時計が出る」と話していたが、終わってから全体的な時計を眺めてみてもその通り。なにせ4F目のラップが11秒台は17頭もいて、11.7秒は4頭。3F目11秒台の頭数も多く、ここでは11.6秒が2頭もいる状態。
当然、全体時計も速くなっていて、4F50.9秒以下は13頭。4F51秒台の頭数もかなり多くなっていて、ここ最近では一番時計が出る馬場状態だったと判断してよいだろう。今週は
JRA最初のG1、
フェブラリーSが行われるが、その最終追い切りでも速い時計が連発。能力の高い馬なら、いくらでも時計が出るといったところだろうか。ちなみに一番時計は
レッツゴードンキ(栗東・
梅田智之厩舎)の4F50.1秒だった。
2月14日。一番時計は
ロジクライ(栗東・
須貝尚介厩舎)の49.6秒。全体的に速い時計を出した頭数は少ないが、これは追い切り頭数の問題。一番時計の数字自体は前日よりも速かったように、馬場状態としては特に変化はない。
先週の馬場差は「-0.7秒」。毎週、少しずつ時計が出やすくなっていたが、今週はその頂点と思えるくらい時計が速い。よって、馬場差は『-1.0秒』で13日、14日とも記録している。
【CW/5F66.0秒】
2月13日。朝一番に前日のニュースでお伝えした
ディアドラ(栗東・橋田満厩舎)がとんでもなく速い時計を出しているが、一旦、スピードに乗ってしまうと失速するようなことがない馬場といった感じ。どんな馬でも簡単に時計が出るというよりは、やはり調子が良いからこそスピードに乗った動きができるといったところだろうか。
2月14日。馬場状態としては前日と変わりはない。ここで取り上げたのは、
日経賞(3月23日・中山芝2500m)に向けて調教を開始している
エタリオウ(栗東・
友道康夫厩舎)。先週帰栗したばかりだが、6Fから単走で時計を出している。
レースまで1ヶ月以上の時間があるということで、ほぼ流すような感じだったが、時計は6F86.3〜5F71.3〜4F56.6〜3F41.6〜1F13.2秒。それなりにまとまった数字だし、動き自体に力強さがある。
日本ダービー4着、
菊花賞2着の実績はあるものの、1着はまだ1回しかない。今年こそ勝ち星を積み重ねていきたい、そんな4歳最初のレースになりそうだ。
2月7日。馬場状態としては前日とほぼ同じ。時間帯によっては、先日より更に時計が出ていると思える追い切りもあったが、そこは差をつけるほどではないだろう。
先週の馬場差は「-0.3秒」。今週は6F80秒を切る頭数も先週より多くなっている。数字的に見ても、主観的に見ても時計が出ている印象を受ける。よって、今週の馬場差は6日、7日とも『-0.5秒』で馬場差を記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週は13日に追い切りが行われているが、先週と同じく、芝の傷みが進んでおり、それが影響した時計の出方になっている。よって、馬場差としては13日、14日とも『+0.5秒』で記録している。
ポリトラック馬場での追い切り頭数は先週よりも少し増えた。時計の出方は安定しているが、馬場自体はかなり緩めになっていて、少しパワーが必要に思えるくらいのキック
バックがある。ただ、馬場差に関しては、今週も『+0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)