18日朝、前日に
フェブラリーSを制した
インティは自厩舎の馬房でくつろいでいた。
担当の和田将人助手によれば、「やはり疲れは見られます」とのことだが、ぐったりと疲れた様子はなく「じゃれて噛んでくるぐらいだし、大丈夫だと思います」と話していた。
和田助手はゲートについていったため、レース中は移動のバスの中だった。
「モニターのないバスだったので、皆が静かに実況を聞き入っていました。ゴール間際も先頭にいることはわかりましたが、その差を眼で確認できないので祈るような気持ちで実況を聞き入っていました」
勝った瞬間は他の陣営と一緒にいるにもかかわらず「思わず『ヨシ』と声が出てました」とニッコリ。でも、それだけで静かに勝利の味を噛みしめていたそうだ。
未勝利からGIまで、休養をはさみながらも7連勝。しかし、ここまでの道は決して平たんではなかった。
「子供の頃は周囲よりも成長が遅かったと聞いています。それでデビューも遅れましたが、走る能力の高さは感じていたので先生(野中師)は焦らずに馬の成長にあわせてじっくりとレースを走らせていました。それがこのようなGI勝ちに繋がり、すごく嬉しいです」
次走は未定。
「先生からはレースが終わってすぐに『しっかりケアして欲しい』と言われました。このように馬を大切にする先生の厩舎だから体質が弱かった馬がここまで強くなれたのだと改めて思いました」
(取材・文:花岡貴子)